MTV VMAで2部門が新設
米現地時間8月30日に開催された、MTVのビデオ・ミュージック・アワード(MTV VMA)。当初は新型コロナウイルスが世界中で流行して以降、アワードとして初の実会場での開催が発表されていたものの、開催の数週間前になって実会場で行なうことを断念。一連のパフォーマンスや授賞式はすべてオンラインで開催され、アワードの醍醐味の1つとも言えるレッドカーペットもバーチャルで行なわれた。
授賞式の開幕を告げたザ・ウィークエンドのパフォーマンスを筆頭に、レディー・ガガとアリアナ・グランデのコラボパフォーマンスなど、例年通り素晴らしいパフォーマンスの数々が披露された今年のVMAだけれど、今年はいつも通りの部門の他に、新型コロナウイルス禍ならではの賞が新設され、そちらも話題を集めていた。
今年から新設されたのは、「最優秀自宅からのミュージックビデオ賞(BEST MUSIC VIDEO FROM HOME)」と、「最優秀隔離パフォーマンス賞(BEST QUARANTINE PERFORMANCE)」の2部門で、それぞれ文字通り、コロナ禍での自粛生活のなかで“自宅で撮影したミュージックビデオ”と、“自宅など隔離された場所でのパフォーマンス”を表彰する部門となっている。
最優秀自宅からのミュージックビデオ賞
最優秀自宅からのミュージックビデオ賞は、アリアナ・グランデとジャスティン・ビーバーのコラボによる「スタック・ウィズ・ユー(Stuck with U)」が、ドレイクの「Toosie Slide」やファイヴ・セカンズ・オブ・サマーの「Wildflower」、ブリンク182の「Happy Days」、ジョン・レジェンドの「Bigger Love」、トゥエンティ・ワン・パイロッツの「Level of Concern」を抑えて受賞。
Sending ALL the love to @arianagrande and @justinbieber as they celebrate their #VMA win for Best Music Video from Home! �� pic.twitter.com/e3hAltdTjW
— MTV (@MTV) August 31, 2020
アリアナが現在の恋人であるダルトン・ゴメスを初お披露目したことや、ジャスティンが自宅で妻のヘイリー・ビーバーと共演したことも話題になった「スタック・ウィズ・ユー(Stuck with U)」のミュージックビデオ。全米シングルチャートで1位を獲得した同曲は、新型コロナウイルス対策支援のためのチャリティソングとなっており、収益はすべて新型コロナウイルスの最前線で働く医療従事者や警察官、救急救命士、救急隊員、消防隊員といった“ファースト・レスポンダー”と呼ばれる職業に就く人の子供たちを支える慈善団体「ファースト・レスポンダーズ・チルドレンズ・ファウンデーション(First Responders Children’s Foundation)」に寄付されている。
最優秀隔離パフォーマンス賞
一方、最優秀隔離パフォーマンス賞は、CNCOの「MTV Unplugged At Home」が、レディー・ガガの「Smile" from One World: Together At Home」や、ポスト・マローンの「Nirvana Tribute」、ジョン・レジェンドの「#TogetherAtHome Concert Series」、クロイ&ハリーの「Do It" from MTV's Prom-Athon」、DJ D-Niceの「Club MTV Presents: #DanceTogether」を抑えて受賞した。
GRACIAS CNCOWNERS!!! ��❤️ Best Quarantine Performance! Nuestro primer moon person!! THANK YOU TO @MTV @VMAs, to our team and to all of our supporters. � This is a dream come true!! �❤️❤️❤️❤️❤️ #CNCOxVMAs pic.twitter.com/67pDyhXTRl
— CNCO (@CNCOmusic) August 31, 2020
CNCOはこの日の授賞式で新曲「Beso」のパフォーマンスも披露している。
.@CNCOmusic's #VMAs Performance was on �We are still dancing! pic.twitter.com/d7srlhG4La
— MTV (@MTV) August 31, 2020
2020年3月からコーチェラ・フェスティバルやグラストンベリー、ウルトラなどのフェスに加え、カンヌ国際映画祭やトニー賞といったアワードの延期や中止が発表されてきたなかで開催された今年のMTV VMA。最終的に、新型コロナ禍での初となる実会場での開催は見送られてしまったものの、複数の場所から映像をつなぐ形で開催された今年の授賞式は、6月に開催されたバーチャル形式で開催されたBETアワードなどと並んで、コロナ禍での今後の授賞式の指標となっていくはず。新設された「最優秀自宅からのミュージックビデオ賞」と「最優秀隔離パフォーマンス賞」が来年以降も継続していくかは今後の世の中の状況次第だけれど、この2つの賞は、まさしく今年の音楽業界の様相を象徴する賞となったと言えそう。(フロントロウ編集部)