ディズニープラスで独占配信!実写版『ムーラン』
新型コロナウイルス感染拡大防止のため劇場公開が延期になっていたディズニーの実写映画『ムーラン』が、ディズニー公式動画配信サービスDisney+ (ディズニープラス)にて、プレミアアクセスとして9月4日より配信開始。
1998年のディズニーのアニメーション映画『ムーラン』をリウ・イーフェイ主演で実写化した本作は、2020年3月に米プレミアが行なわれたものの、新型コロナウイルスの世界的流行のため公開が延期されていた。
愛する家族を守るため、男性と偽り兵士となって国の命運をかけた戦いに向かう唯一無二のヒロイン、ムーランの成長と葛藤の大スペクタクルが幕を開ける。
そんな戦う女性、ムーランの存在を裏付けるある研究が報告された。
古代中国が舞台のファンタジー『ムーラン』
『ムーラン』は、古代中国を舞台にした作品で、中国の伝説『木蘭(もくらん)』をベースにして作られた物語。木蘭は老病の父に代わり、娘の木蘭が男装して従軍し自軍を勝利に導いて名誉の帰還を果たすというストーリー。原典を遡ると、中国の南北朝時代、すなわち6世紀ごろに作られたものだと考えられる。
2020年5月ごろ、モンゴル北部で遺跡の発掘調査を進めていたカリフォルニア州立大学の考古学者たちは、約1,500年前、つまり『ムーラン』が活躍したであろう時代のものと見られる女性戦士の遺骨を発見。2体あったその骨は、モンゴル式の古代の墓に埋葬されていたという。
墓が作られたのは、4世紀〜5世紀の間。この時期の中国は戦乱の世で、『ムーラン』で描かれたような戦いが様々な場所で起こっていた。考古学者たちがこの骨を調査に出したところ、1人は20代、もう1人は50代の女性だと判明。そして、骨の形から、射術や馬術の熟練者であることもわかった。どちらの背中にも、騎兵に特徴的な外傷の痕があり、弓兵によく見られる親指の特徴も見られたという。
発掘された女戦士と『ムーラン』
2人の女戦士は、モンゴル北部のオルホンにあるAiragiin Gozgor遺跡に埋葬されていた。女性は、鮮卑(せんぴ)という遊牧騎馬民族に属していたそう。
『ムーラン』はしばしば中国の物語だと考えられているけれど、所々にモンゴルの要素が散りばめられている。映画の中でムーランは徴兵に出向きステップアップを重ねたけれど、当時の中国は軍事的な徴兵をしていなかったそう。
今回、発掘調査を主導している考古学者のクリスティン・リーは、米サイエンスニュースに「(当時)中国の女性は、家にいることが良いとされていました。しかし、北部の遊牧民の女性は、伝統的に機動性があり、より多くの自由と独立が確立されていました。彼らは、自分たちの生活に、より多くの決定権がありました」と説明した上で、『ムーラン』の物語はそんな遊牧民族の歴史にインスピレーションを受けたのであろうと語った。
クリスティンは、モンゴルの女性戦士の墓の調査を続けていくつもりだと決意をあたらにし、「カッコいい女性像は、歴史を遡る歴史を遡ると、はるか昔のアジアの遊牧民グループにつながるのかも」と話した。
そんな歴史的背景を知って見るとさらに面白い『ムーラン』は、9月4日よりDisney+ (ディズニープラス)で日本独占配信。(フロントロウ編集部)