肌の色のためにイジメを受けていたジェイド
リトル・ミックスのジェイド・サールウォールが、イエメン出身の祖父とエジプト出身の祖母の間に生まれた母親と、白人の父親を両親に持つ者として、自身に流れているアラビア系の遺伝子と葛藤してきた過去を打ち明けた。
以前、英BBCのポッドキャスト『 No Country For Young Women』とのインタビューで、その褐色の肌のために学生時代にイジメに遭っていたことを告白したジェイドは今回、アラビア版Vogueのインタビューに応じて、自身のアラビア系のルーツをどう受け入れていったかについて改めて語った。
ジェイドは中学時代にイエメン出身の祖父を亡くしたことに言及して、「自分の全てを失ってしまったような気分になった。落ち込んだ時には、おじいちゃんのところへ行っていたから」と回想。
「おじいちゃんは私に誇りを持たせてくれた。おじいちゃんのおかげで、私はアラビア系のルーツを理解することができていたの」と振り返った上で、「自分が1人ぼっちになった気分だった。学校ではどのグループにも入れなくて、偏見や人種差別を経験することになってね。私は数少ない有色人種の生徒の1人だったから、仲間外れにされているように感じていた」と、中学時代から周囲と馴染めないと思うようになっていったことを告白した。
今では自分のルーツに誇り
ジェイドが自分のアラビア系の血筋を受け入れられるようになったのは、2011年にリトル・ミックスを結成して、ロンドンに引っ越してきてからだそう。「突如として、(リトル・ミックスとして)脚光を浴びるようになったけど、人々は私の過去を知らなかったわけで。だから、そのままにしておいたの」と、自身のアラビア系のルーツにスポットライトが当たらなかったため、あえて自分からはその話題には触れない、という判断をしたと振り返った。
「今では、(自分のアラビア系としての側面について)もっと話をしなかったことを後悔している。私は若かったし、恐れていたの。今は埋め合わせをしようとしているところ」と、これまでの後悔を語った上で、「大人になった今は、自分のアラビア系の部分と深い繋がりを感じてる。今になってようやく気づいたことを、恥ずかしく思ってる。アラビア系でいることは、美しいことだから」と、今では自分がアラビア系であることに誇りを持っていると明かした。
「アラビア系のファンの子たちから、『尊敬しています』っていうメッセージをたくさん受け取るの」とジェイド。「ポップカルチャーでアラビア系の女性がポジティブな形でのレプリゼンテーション(※)があるのを見るのは嬉しい」と続け、アラビア系女性の1人として、ファンに前向きなメッセージを発信できることを嬉しく思っていると語った。
※表現/代表という意味。エンタメ業界や作品において、多様な人々を適切な形で描くこと。
ジェイドは「自分のルーツを受け入れるのにすごく時間がかかってしまった。もっと早く受け入れられていたらと思う。ありのままの自分こそが美しいということを、みんなに知ってもらいたい。自分の祖先のことを学んで、自分が受け継いだものについて勉強してみてほしい。そうすることで、目的を持てるから」と続けて語り、ありのままの自分を受け入れてみてほしいとファンに呼びかけた。(フロントロウ編集部)