「私の正体?それは絶対に秘密」
「私の正体?それは絶対に秘密」というフレーズを聞いて、すぐにドラマ『ゴシップガール』を頭に思い浮かべる人も多いかもしれない。2007年から2012年まで6シーズンにわたって放送され、早ければ2021年にもリブート版が配信される予定の『ゴシップガール』は、ここ日本でも高い人気を誇るシリーズのひとつ。
このドラマは、先のフレーズ「私の正体?それは絶対に秘密」で有名なインターネットのアカウント“ゴシップガール”のもとに寄せられる噂話(ゴシップ)をベースに進行するのが特徴で、匿名のアカウント“ゴシップガール”を誰が運営しているかについてはフィナーレまで明かされない。
ドラマの登場人物たちは、“ゴシップガール”を通じて自分の周囲で起きている恋愛事情などを知るのだけれど、アメリカのユタ州ソルトレイクシティにおいて、現在そんな『ゴシップガール』を思い起こさせるようなアカウントが学生たちの間で登場し出しているという。
匿名のアカウントが同級生の情報を拡散
米KUTVによれば、ソルトレイクシティのグラナイト学区において、匿名のアカウントを使った新手のネットいじめが流行しているという。学区のスポークスパーソンを務めるベン・ホースリー氏は米KUTVに対し、生徒たちがインスタグラムで匿名のアカウントを使って同級生に悪口を言っているのに気がついたと明かした。
ホースリー氏によれば、生徒たちは「Teaアカウント」と呼ばれる種類のアカウントを匿名で作っているそう。ここでいう“Tea”とは、「何が話題になってるの?」を意味する英語のフレーズ「what's the tea?」から来ており、学校内での噂話などが投稿されているという。「他の生徒についてのゴシップや中傷、ネットいじめのために使われています」とホースリー氏はこれらのアカウントについて説明している。
学区内のエヴァーグリーン中学校に通うキンバリー・アルバレンガが米KUTVのインタビューに応じており、「Teaアカウント」が昨年度から作られるようになったことや、次第にそのトレンドがエスカレートしてきたと証言。「とても有害なものだと思います。誰かが匿名でこれらのアカウントを作っているのです」とキンバリーは説明した。
グラナイト学区の委員会はこの動きを懸念しているといい、匿名のアカウントに対処するためにあらゆる取り組みを行なっているという。スポークスパーソンを務めるベン・ホースリー氏は「これらのアカウントは匿名のものなので、その裏に誰がいるのかを追跡するのは簡単ではありません」とした上で、専門家を雇って対策を行なっていると明かした。
日本での中学2年生にあたる、現在8年生のキンバリー・アルバレンガは番組で次のように呼びかけている。「相手をイジメるのではなく、成長を促しましょう。(投稿されてきた)メッセージをすべて削除していきましょう」。(フロントロウ編集部)