取り返しのつかない結果を招くTikTokチャレンジ
若者を中心に人気を集める動画共有アプリTikTok(ティックトック)で、一歩間違えると取り返しのつかない危険な美容チャレンジが流行している。
さまざまなチャレンジ企画が次々と生まれては消えていくTikTokで、いま注目を集めている「ティースファイリングチャレンジ」と呼ばれるチャレンジは、なんと「爪やすり」を使って前歯のギザギザした部分を整えるというもの。
このチャレンジを行なったユーザーの@miadioは「歯のギザギザした部分が気になるから爪やすりで歯を削ってみた。予算もかからないしね」とコメント。実際に爪やすりで前歯を削っている動画を公開した。
@miadio Filing my teeth down ##fyp ##dentist ##notreally
♬ I hope I make dentists cringe - Mia Dio
しかし、専門家によると、このチャレンジには非常に危険なリスクが伴う。
歯科クリニックのオーナーで歯科医のサニー・シーラ医師は「爪やすりで歯を削ることは非常に損傷が大きく、歯の縁のエナメル質だけでなく、歯の構造にも永久的な損傷を与える可能性がある」と英メディアGlamourでコメント。
また、シーラ医師は「歯のエナメル質は再生しないため、一度起きたダメージは元には戻らない。いかなる美容的な輪郭形成も、適切な滅菌器具を用いて専門家によってのみ行われるべき」と忠告している。
@acerendulicc No one tell my dentist ##teethchallenge ##fyp ##ColorSelector ##TimeforTENET ##MeTime ##dentist ##smile ##blonde
♬ original sound - Ace
歯科医のカミ・ホス医師は「歯を保護するエナメル質には、ある程度の厚さがないと、歯が敏感になったり痛みを感じたりするだけでなく、虫歯になりやすくなり、歯の光沢と白さが失われる」と米メディアRefinery29で説明。誤って歯を深く削ってしまうと、歯の黄ばみが発生しやすくなるという。
さらに、シーラ医師は「すべての歯を同じ長さになるように削ると、丈夫で健康な歯の状態を保てなくなり、先に歯のトラブルが起きるかもしれない」と話し、低予算で歯を整えられるどころか、歯のダメージを修復するために、専門の歯科治療を受けなければならない事態に発展する恐れがあると警告する。
TikTokや他の動画共有サービスでは日々さまざまなトレンドやチャレンジ企画が誕生している。便利で有益なものもある一方で、取り返しのつかない危険性を伴うものも多い。どんな結果をもたらすのか、しっかりと見極める必要がありそう。(フロントロウ編集部)