ヒーローたちの裏側を描いた異色のドラマ『ザ・ボーイズ』
ドラマ『ザ・ボーイズ』は、欲と名声にとりつかれ腐敗したスーパーヒーロー集団を倒すべく、「ザ・ボーイズ」というグループが奮闘する異色のアクション作品。
“正義の味方”であるスーパーヒーローのイメージを覆す汚れた真実と、登場人物の差別やヘイトを一切隠さずに描かれた脚本が話題を呼び、2019年7月にシーズン1の配信がAmazonプライム・ビデオでスタートすると、瞬く間に世界中で人気になった。
現在シーズン2まで配信され物語が大きく展開している本作は、米辛口批評サイトRotten Tomatoesで平均91%のスコアを獲得しており、すでにシーズン3の配信が決定している。ちなみにシーズン3には、ヒーローのソルジャーボーイ役として、ドラマ『スーパーナチュラル』のジェンセン・アクレスが参加予定。
そんな本作で欲と名声に溺れ、差別や犯罪に塗れたスーパーヒーロー集団、「セブン」のリーダーを務めるホームランダー役のアントニー・スターが、ファンから賛否両論の「牛乳&ホームランダー」のシーンについて語った。
牛乳&ホームランダーのシーンは最大の挑戦
ホームランダーは、金髪碧眼にマッチョな身体が特徴的なスーパーヒーローで、スーパーマンのように目からビームを出したり、高速で飛んだりといった能力を持っている。表向きは慈悲深く、強くて誰からも愛される存在だけれど、本当は嫉妬深く、簡単に人間を殺し、わがままで、思い通りにならないことがあると我慢できないタイプの差別主義者。
そんな彼には、何度か「牛乳」とセットで登場するシーンがある。母親に特別な感情を抱いている彼が牛乳を飲むシーンは、シリーズを見ているファンの賛否両論を巻き起こしている。
ホームランダーを演じたアントニー・スター自身もこのシーンが特別なものだと感じているようで、米Colliderのインタビューで「ミルクのシーンは驚きだった。笑えるよ」とコメント。
「最初は一つのシーンから始まったんだ。あまりに変だったから、それから牛乳を取り入れられそうなところではなるべく取り入れるようにしてみた」と語り、続けてシーズンを通して、かなり変なシーンがあるんだ。その終着点がわかった時、(ショーランナーの)エリック・クリプキが 『そうだ、このままそれでいこう!』って言った。このシーズンではそこから(牛乳は)ホームランダーの弱さと足りないもののモチーフになった。正直に言うと、撮影中のシーズンで一番笑ったのは、なんとか牛乳をシーンに入れようと必死に考えているところだった。いくつかは採用されたし、いくつかはボツになった。実は、それが僕の最大の挑戦だったかもしれない。僕にとっての最大の挑戦は、できるだけミルクをシーンに入れようとすることだった」と、牛乳のシーンの裏話を明かした。
「笑える」かどうかはさておき、圧倒的な存在感を放つミルクのシーンは、制作チームにとっても気合が入ったシーンだと判明した。現在、ドラマ『ザ・ボーイズ』のシーズン2がAmazonプライム・ビデオで配信中。(フロントロウ編集部)