白熱の80‘s女子プロレスドラマ『GLOW』
ドラマ『GLOW: ゴージャス・レディ・オブ・レスリング』は、1980年代の南カリフォルニアと南ネバダを舞台に女子プロレスの世界を描いたNetflixオリジナルドラマ。
2017年6月にシーズン1が世界同時配信されると、本番組は批評家から評価を受け、プライムタイム・エミー賞のコメディ・シリーズ作品賞にもノミネートされた。
本作の舞台は1985年、ロサンゼルス。夢と情熱だけは大きい主人公のルースは鳴かず飛ばずの売れない女優で、ことごとくオーディションに落ち、生活費はギリギリ。そんな中、「型破りな女性を求む」と聞きつけ、向かったオーディション会場はなんとジム。そこでは「GLOW: ゴージャス・レディ・オブ・レスリング」という女子プロレスの新番組のオーディションが開かれていた。
プロレスファンでなくても楽しめると言われている本作は、「GLOW(Gorgeous Ladies of Wrestling)」という実在した女子プロレス団体を題材にしている。出演しているのは、ドラマ『マッドメン』のアリソン・ブリーやドラマ『アメリカン・ゴッズ』のベティ・ギルピン。
そんな本作はすでにシーズン3まで配信され、ついにファイナルとなるシーズン4の配信に期待が寄せられていたものの、突然打ち切りが発表された。
『GLOW: ゴージャス・レディ・オブ・レスリング』の打ち切り理由は?
2020年3月にシーズン4の制作に入った本作は、新型ウイルス感染拡大によるアメリカの国家緊急事態宣言により撮影が中断された。当初は、撮影再開が予定されていたものの、定められたウイルス感染の予防措置をとる体制が困難と判断されたため、新シーズンの制作中止がこのたび決定。シリーズは打ち切りとなった。
レスリングシーンの撮影には身体的接触と激しい呼吸は避けられないという事実があるため、ショーに戻るのは危険すぎると判断された。さらに米Vultureによると、新型コロナウイルスの安全対策は非常にコストがかかるという。
マーク・マロンは自身が演じたサム・シルヴィア風に「もう『GLOW』は終わった。残念すぎる」とツイッターに投稿。またルース・ワイルダー役のアリソン・ブリーも自身のインスタグラムにキャストの集合写真と「寂しいな…。私の人生を永遠に変えてくれたGLOWファミリーに感謝してる」とコメントした。
『GLOW』打ち切りが海外ドラマ業界に与えた衝撃
ショーランナーのリズ・フライブとカーリー・メンシュは打ち切りについて、米Deadlineのインタビューで「国民の悲劇」だと言い表した。アメリカでは非常に人気が高く、米辛口批評サイトRotten Tomatoesでもシリーズを通し平均92%の評価を得ている本作が新型コロナウイルスのために打ち切られるのは、本当に悲劇的なこと。2人は「15人の女性が同じフレームに集まっている姿が見られなくなるのは本当に残念だ」と、今回の打ち切りが苦渋の決断であったことを伺わせた。
新型コロナウイルスのためにドラマ撮影が困難となり、打ち切りになってしまったという事実は、他のドラマでも同様に「コロナ打ち切り」が起こる可能性があるということ。いまだ特効薬や完全といえる対策が見つかっていない脅威がいま、人気ドラマの存続を脅かしている。
シリーズのフィナーレが幻のものとなってしまったドラマ『GLOW: ゴージャス・レディ・オブ・レスリング』。本作は、シーズン3までNetflixで配信されている。(フロントロウ編集部)