俳優や監督として活躍するジャスティン・バルドーニ。彼が以前から主張する、“男らしさ・女らしさ”にとらわれない生き方についてフロントロウ編集部に話してくれた。(フロントロウ編集部)

子供に“男らしさ・女らしさ”を押しつけないためには?

画像1: 子供に“男らしさ・女らしさ”を押しつけないためには?

 ジャスティン・バルドーニは、ドラマ『ジェーン・ザ・バージン』のラファエル・ソラノ役でブレイクした俳優。監督やプロデューサーとしても活動しており、2020年10月23日には、監督作品『クラウズ~雲の彼方へ〜』がディズニープラスで配信スタートした。

 そんなジャスティンは2017年に、カンファレンスTED Talkにて、『「男らしく在らん」ことをやめた理由』というトークを披露。約20分のトークで、“タフ”、“強い”といった社会が与える“男らしさ”の基準がどれだけ自分や他の人々にとって有害であるかを力説して拍手喝采を受けた。さらにSNSでは、男性としてボディイメージに関する悩みを抱えてきたことを明かすなど、“男性だからこう”という偏見や固定観念に疑問を投げかける発信を続けている。

 スウェーデン人俳優である妻エミリー・バルドーニとの間に5歳の娘マイアちゃんと3歳の息子マックスウェルちゃんがいるジャスティンに、フロントロウ編集部がこう質問した。

 男らしく、女らしくという、ジェンダーに対する害のある考えを次の世代に植えつけないために家庭でしている事はありますか?

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 「子供たちにこうなって欲しいと思ってしまう、親としての感情を抑圧するようにしている」とZoomごしにフロントロウ編集部に語ったジャスティンは、子供たちの選択に「干渉しないようにする」ための実際の方法をこう明かした。

 「これは一例だけれど、息子を『バディ(相棒)』と、娘を『スイートハート(愛しい人)』と呼ばないように頑張っている。こういった(ジェンダーごとの)愛称は社会的に助長されてきたことで、僕を含めた多くのアメリカ人男性がそう育てられてきた。だから僕は、逆に息子をスイートハートと呼びたい。娘をバディと呼ぶことだってある」

 女の子には柔らかい印象のある「スイートハート」と、男の子にはよりアクティブでクールな印象がある「バディ」と、性別によって使われがちな愛称にも、子供たちにジェンダーごとの固定概念を押しつける危険はひそんでいると明かしたジャスティン。

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 さらにジャスティンは続けて、「息子がドレスを着たいなら着させる。娘が息子の洋服を着たいなら着させる。息子がピンクを身につけたいならそうさせる」と語った。

 子供たちには、「ありのままの彼らで十分美しい」と分かっていて欲しいというジャスティンは、性別やルックス以上に大事なことをわかってもらうために、寝る前に子供たちに欠かさずあることを言うという。「毎晩、子供たちにこう言うんだ。体の中で最も強い筋肉は、君たちのハートなんだよって」

17歳の末期患者が主人公『クラウズ~雲の彼方へ〜』を監督

 2019年に嚢胞性線維症を患う10代の男女を主人公にした映画『ファイブ・フィート・アパート』を監督し、Disney+ (ディズニープラス)で配信スタートした新作映画『クラウズ~雲の彼方へ〜』では、癌によって17歳で余命6ヵ月と宣告された後に、残された時間で音楽活動をして米iTunes1位の楽曲「クラウズ」を誕生させた青年ザック・ソビアックの実話を伝えるジャスティン。

画像: 17歳の末期患者が主人公『クラウズ~雲の彼方へ〜』を監督

 「若い俳優や彼らのファンは世界の未来だ」と語るジャスティンは、若い世代を題材とした映画制作を通した目標をこう明かした。

 「僕は、若い世代のハートを動かす映画を作りたい。それこそ、世界に影響を与える最高の方法だから。若い世代に、希望や愛、ポジティブな思いを吹き込みたい。人生はつらいことも多いけれど、選択する権利は彼らにあって、立ち上がれば壁も乗り越えられるということをリマインドしたいんだ。その壁は、癌かもしれない。鬱かもしれない。世界の政治を見ていっぱい一杯になってしまった感情かもしれない。学校での悩みかもしれない。(自分が作っている)こういった映画は、そんな彼らに教えてあげられるんだ。ザックが言ったように、死ぬってわからなくても最大限生きることはできるってことをね」

 ジャスティン・バルドーニが監督し、フィン・アーガス、サブリナ・カーペンター、マディソン・アイズマン、ネーヴ・キャンベルらが出演する映画『クラウズ~雲の彼方へ〜』は、Disney+ (ディズニープラス)で配信中。

<作品情報>
映画『クラウズ~雲の彼方へ〜』
ディズニープラスで配信中

(フロントロウ編集部)

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