糖質制限と脂質制限、どっちのほうがヤセやすい?
ダイエットのための食事といえば、従来はカロリーの摂取量を制限することが主流だったけれど、リバウンドしやすかったり筋肉まで落ちてしまったりするのが難点。そこで近年注目を集めているのが、糖質や脂質の摂取量を極力抑えるロカボやローファットといった食事。
ロカボダイエットとは、小麦を使ったパンや麺類、お米、イモ類などに多く含まれる糖質の摂取量を制限するもので、低炭水化物ダイエットとも呼ばれている。対するローファットダイエットは、肉や卵、チーズなどに多く含まれる脂質の摂取量を制限するダイエットのこと。両方とも人気のダイエット法だけれど、気になるのがその効果の違い。
ダイエットには糖質を制限したほうがいいのか、はたまた脂質を制限するほうがいいのか、プロが解説した。
短期間で結果がでやすいのはロカボダイエット
ダイエットの効果を判断するのは、やはり体重や体脂肪の減りやすさ。NYを拠点とする栄養士のレイチェル・リンクは、短期間で高い結果を得るなら、脂質を制限するよりも糖質を制限したほうが結果を得やすいと米Heaithlineでコメント。ロカボダイエットを高く評価するレイチェルのこの発言は、数多くの研究の結果としても表れている。
英The New England Journal of Medicineで発表された研究によると、重度の肥満と診断された132人を対象にした6ヶ月間の研究では、糖質を制限したグループのほうが脂質を制限したグループよりも体重が減り、その差は平均にして3倍ほどだったという。さらに体脂肪についても、糖質を制限したグループのほうが大幅に減ったと報告されている。
その理由のひとつが、糖質には血糖値を上昇させる働きがあるから。糖質のとりすぎは血糖値の急激な上昇につながり、そのせいで脂肪が生成されてしまう。そのため、糖質を適度な量に制限することで、脂肪がつきにくくなるという。
ただし、1年を超える長期的な研究では、ロカボダイエットとローファットダイエットを比較したダイエット結果の差は徐々に小さくなり、最終的にはほとんど差がなかったという報告も。そのためレイチェルは、短期間での結果を求めないかぎり、自分に合ったほうの食事を選ぶのがベストだと明かした。
空腹感を感じにくいのもロカボダイエット
空腹感はダイエットでぶつかる悩みのひとつ。この空腹感についてもロカボダイエットの方がローファットダイエットよりもメリットがあるのだという。
アメリカ栄養士協会が行なった臨床実験によると、糖質を制限するほうが脂質を制限するよりも空腹感を感じにくかったという結果が出ている。レイチェルいわく、脂質制限よりも空腹感を感じにくい理由は、糖質制限の食事では比較的腹持ちのよいたんぱく質や脂質が十分に摂取することができるからだという。
ロカボダイエットもローファットダイエットも長期的に見れば効果が期待できるダイエット法。でも三大栄養素でもある糖質と脂質は、極端に制限することで栄養バランスが崩れてしまうことも考えられるため、無理のない範囲で取り入れるようにして。(フロントロウ編集部)