ノンバイナリーであるシンガーのサム・スミスが、自身を、男性を表す「He」ではなく「They」という三人称で呼んでもらうことの重要性を語った。(フロントロウ編集部)

三人称「They」とは?

 アメリカで最も伝統ある辞書出版社として知られるメリアム・ウェブスターが、2019年を代表するワード・オブ・ザ・イヤーとして選出したことでも話題になった英単語「They」。

 「彼ら/それら」などの三人称複数として一般的に認知される「They」という単語には近年、「性的指向が“ノンバイナリー”である人に対して使われる」という意味が付け加えられ、2019年にはメリアム・ウェブスターの辞書にも正式に「ノンバイナリー」の人への三人称として定義が付け加えられた。

 「ノンバイナリー」とは、男性や女性どちらにも分類・限定されないジェンダーのこと。ちなみにジェンダーとは、生物学的な性別(セックス)とは違い、社会的・文化的に存在する男性・女性という性別のことであり、男性と女性の両方を感じる/そのどちらでもない/トランスジェンダーの中間など、ノンバイナリーの表現は様々で、第3のジェンダーと呼ばれることもある。

サム・スミスが「They」の重要性を説く

 今回、2019年3月にノンバリーであることをカミングアウトしたシンガーのサム・スミスが「They」という三人称の重要性に言及。今週10月30日に通算3作目となるニューアルバム『ラヴ・ゴーズ』のリリースを控えたサムは、Apple Musicのゼイン・ロウの番組に出演して、周囲の人たちに自身を「They」と呼んでくれるよう訴え始めた時のことを振り返った。

画像: サム・スミスが「They」の重要性を説く

 「私はずっとノンバイナリーだったから。自分の感じるがままの感情を持ってきた。三人称を変えた時、状況が複雑になってしまったことは確か」と、三人称を変えることの難しさを振り返った上で、「存在していることを感じたいって思ってた、ずっとね」とサム。「時間がかかったよ。本当に時間がかかった」と、三人称を変えてもらうことに要した苦労を明かした。

 また、誤って自身を「He/Him」と呼んできた人には「一生懸命、親切さと我慢強さをもって取り組まなければいけなかった」と告白。「みんながこれに取り組んでくれていることは分かってる。時間がかかることなの。言葉を変えようとしているのだから」。

 サムは続けて、自身のジェンダー・アイデンティティを公にできたことで感じている自由についても言及。「失敗が怖くなくなるし、欠陥が怖くなくなるの。今は何も怖くないよ。どんな間違ったことをしたとしても、大丈夫だって感じているの。自分自身がついているから。自分自身がバックについているの。それってすごく素敵な心地」と語り、自分のジェンダー・アイデンティティに忠実になれたことで、自分で自分を肯定できるようになったと明かした。

 同じインタビューのなかで、サムは近い将来に家族を持ちたいと思っていることについても明かしている。35歳になるまでには「子供がほしい。子供たちの成長を見て、毎日一緒に過ごしたい。ママになりたいな」と将来の目標を語った上で、次のように続けた。

「いずれその時が来ると思うけど、今はまだ自分のやりたいことがある。まだまだ野心があるの。いつもそれを落ち着かせて、控えめにしちゃってるんだけど、今も野心があって、多くの人に向けて歌いたいと思うし、この仕事をしたいと思っているの。それって、最高の気持ちなんだよ」

(フロントロウ編集部)

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