マクドナルドの「冷たいスイーツ」の提供状況を教えてくれるサイト
ファストフードチェーンのマクドナルドで売られている、ソフトクリームやマックシェイク、マックフルーリーといった冷たいスウィーツといえば、なんだか無性に食べたくなる時があるもの。
腹を決めてお店に駆け込んだはいいものの、「ただいま、アイスクリームの機械が故障中でして…」とショッキングなお知らせを告げられ、残念ながら食べることができずに、がっかりしてしまった経験があるという人は少なくないはず。
そんな“がっかり”を防ぐための画期的なツールを、ドイツを拠点とする24歳の若手ソフトウェアエンジニアが開発。遊び半分で作ったものながら、全米のマクドナルド・ファンたちに絶賛され、米マクドナルドの重役からお墨つきを得るほどの反響を呼んでいる。
ラシーク・ザヒードという名のエンジニアが作ったのは、「McBroken(マックブロークン)」と名づけたウェブサイト。このサイトでは、アメリカ国内の全店舗のアイスクリーム機がきちんと機能しているか否かという情報が30分単位で更新され、地図上に表示される緑(機能中)or赤(故障中)の点で確認できる。
そのため、このサイトを事前に確認すれば、最寄りの店舗でアイスクリーム系のスウィーツが購入できるかどうかが分かり、無駄足を踏む必要が無くなるというわけ。
きっかけは自分が経験した「がっかり」
今年7月、冷たいスイーツを購入する目的でベルリン市内のある店舗を訪れたラシークだったが、残念ながら、アイスクリーム機の不調で購入できず。「これは、なんとかしなくては!」と一念発起した彼は、マクドナルドのスマホアプリを徹底的に解析し、試行錯誤の末にMcBrokenを創り上げた。
McBrokenはマクドナルドのモバイル注文アプリの情報と連動しており、ラシードが開発したAPI(※)が、30分ごとにアイスクリーム系の商品を自動で注文カートに入れ、「現在販売を休止しています」というメッセージが表示されれば、“故障中”もしくは“メンテナンス中”と見なし、その店舗のドットが赤色に変わるという仕組みとなっている。
※アプリケーション・プログラミング・インターフェイス。ソフトウェアからのOS機能を利用するための仕様またはインターフェースの総称。
最初はドイツ国内の1,500店舗を対象にMcBrokenの精度をチェックしたラシーク。その結果、かなり上手くいったため、「マクドナルドの本拠地であるアメリカで試したらもっと面白そう」と、全米の店舗を対象としたMcBrokenを開発して一般公開した。
すると、その評判はSNSを通じてみるみるうち広がり、「こんなの待ってた!」、「画期的すぎる」、「超ありがたい!」などと、たくさんのマクドナルド・ファンに重宝されるように。10月24日にラシークがツイッターで明かしたところによると、48時間以内に150万人ものユーザーがMcBrokenを利用したという。
マクドナルド社の重役から感謝の言葉
McBrokenは、アイスクリーム機が使用停止となっている全米および主要都市内の店舗の割合も表示しており、記事執筆時点では、全米では約1割、サンディエゴでは約3割、シカゴでは約2割の店舗でアイスクリーム系のスイーツの提供がストップしているという情報までわかる。
ラシードは、「遊び半分で作ったんだけど、みんなが『今週最高の出来事だ!』なんて喜んでくれてるのは嬉しいよ」と米The Vergeにコメントしているが、彼が趣味の延長で作ったMcBrokenの評判は、米マクドナルド社の上層部にまで届いた。
同社のデビッド・トーヴァー副社長は、ツイッターを通じて、「ほかのお客様たちが美味しいアイスクリームを手にできるよう、こんなに尽力してくれるなんて、真のマクドナルドファンにしかできないことです! ありがとう! 」とラシードに対して、お礼の言葉を述べている。
Only a true @McDonalds fan would go to these lengths to help customers get our delicious ice cream! So, thanks! We know we have some opportunities to consistently satisfy even more customers with sweet treats and we will.
— David Tovar (@dwtovar) October 23, 2020
たくさんの人に重宝されているとはいえ、McBrokenは非公式なサイト。そのため、いつシャットダウンされるか分からないという不安はあったが、マクドナルド社の重役が太鼓判を押すならば、今後も安泰? 現在はドイツとアメリカ国内のみの運用だけど、将来的に日本にまで規模が拡大してくれると、かなり便利。(フロントロウ編集部)
※記事内の脱字を修正しました。