アニャ・テイラー=ジョイがチェスの天才を演じる『クイーンズ・ギャンビット』
ドラマ『クイーンズ・ギャンビット』は、映画『ミスター・ガラス』や『ニュー・ミュータンツ』などに出演し脚光を浴びているアニャ・テイラー=ジョイが主演を務めるNetflixオリジナル作品。
原作は、1983年に発表されたウォルター・テヴィスによる同名小説で、米ソ冷戦時代を舞台に、主人公のベスが薬物やアルコール依存に悩まされながらも、チェスの最高位、グランドマスターを目指すというもの。
Netflixで配信されてすぐに話題を集めたドラマ『クイーンズ・ギャンビット』は、映画『LOGAN/ローガン』や『マイノリティ・リポート』などで脚本を担当したスコット・フランクによって企画、制作されたけれど、故ヒース・レジャーも本作の制作を熱望していたという。
2008年に急逝したヒース・レジャーとのつながり
ヒース・レジャーは映画『ブロークバック・マウンテン』や『アイム・ノット・ゼア』などに出演したことで知られる俳優。彼は、クリストファー・ノーラン監督の映画『ダークナイト』で伝説的なジョーカーの演技を披露し、公開を待たずに28歳という若さで死亡した。
そんな彼は生前、『クイーンズ・ギャンビット』の映像化に目をつけていたことが米TheIndependentと、本作の共同制作を行なったアラン・スコットとの2008年のインタビューによって明らかになった。
実はアランが『クイーンズ・ギャンビット』の脚本にとりかかったのはなんと30年ほど前。ヒースは本作の制作に大きな情熱を注いでいたという。監督は「ヒースはこのプロジェクトに情熱を燃やしていた。彼は情熱的で意欲のある若者で、私はすぐに彼に惹かれてしまったよ。私たちは電話でプロジェクトについて何度も話して、最終的には会うことになった」と明かし、続けて「私は何度も下書きをして、彼の意見を聞いて、ニューヨークや彼が多くの時間を過ごしていたここ(※イギリス)で何度か会った。私たちは(当初主人公役に想定していた)エレン(・ペイジ)に台本を送る段階まで来ていたんだ。ヒースは演技仲間のリストを見て、キャスティングのアイデアでいっぱいだった。2008年末に映画を作る予定だったんだ」と語っていた。
ところがご存知の通り、ヒースは計画を実行する前の2008年1月に死去。ドラマ『クイーンズ・ギャンビット』は、長い時をかけたアランとヒースの悲願の一作だった。本作は、米辛口批評サイトRotten Tomatoesで100%の評価を得ている。(フロントロウ編集部)