ジェイソン・モモアの「ピンク・ファッション」
ジェンダーレスなファッションが定着してきたことにより、昨今でこそ「ピンク=女性らしい」という概念が薄れつつあるけれど、差し色ならともかく、着こなしのメインとなるアイテムでピンク色を取り入れるのには、少し抵抗があると感じる男性は少なくない。
昔ながらの“男らしさ‘を追求し、体を鍛えて筋肉隆々のボディを手に入れたり、ワイルドな雰囲気を目指している男性ほど、その傾向は強い印象がある。
しかし、DCEU(※)映画『アクアマン』への主演やドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』のカール・ドロゴ役で知られる俳優のジェイソン・モモアは、ちょっとコワモテにも見える屈強なルックスとは裏腹に、公の場に登場するときも、プライベートでも、お気に入りカラーであるピンクを思いっきり取り入れていることで知られる。
※DCコミックス・エクステンデッド・ユニバースの略
映画界最高峰のアカデミー賞では、フェミニンな印象がある淡いピンクのスーツを着用したり、ある時にはピンク色のコーデに合わせて、ピンク色のシュシュで髪をツインテールに結うなど、とにかくピンクを多用した着こなしが多いジェイソン。
米InStyleとのインタビューで、「なぜピンクばかり着るの?」と質問されたジェイソンの答えが、なんともカッコよかった。
あえてピンクを着る理由
インタビューアーの直球な質問に、肩をすくめて、「何でって、ピンクは美しい色だからだよ」とスマイルしたジェイソンは、続けてこうコメント。
「それに、俺は自分の男らしさにかなり自信を持ってるからね。他人が何と言おうと、知ったこっちゃないんだ」。
つまり、ジェイソンがピンクを着まくっているのは、ただ単にピンクという色が大好きだというだけでなく、女性っぽい色だと言われてきたピンクをあえて身に着けることで、逆に男性としての自信をアピールするためだということ。
近年、「男はこう振る舞うべき」、「男は強くタフでなくてはいけない」というステレオタイプ的な行動規範を男性たちに押し付ける“トキシック・マスキュリニティ(Toxic Masculinity/有害な男らしさ)”が問題視されている。ジェイソンは、ピンクの服を着るというファッションチョイスを通じて、暗にこれに抗っているということのよう。
同じインタビューのなかで、ジェイソンは、男性だから弱い部分を見せてはいけないということは無いはずだと言及。「俺は戦士だ。それは断固として言うよ。でも、『自分にはたくさん問題がある。それを正したい』と真っ先に言うタイプでもある」と、弱みを晒すことを恐れていないと話し、「俺たちはみんな、女性らしさと男性らしさの両方を持ってる。両方、大切にすべきなんだ」とも語った。(フロントロウ編集部)