今でも愛される『天使にラブ・ソングを…』
1992年に公開されて大ヒットし、それから28年が経っても、2020年の金曜ロードSHOW!の視聴者リクエスト企画第1弾で選ばれるほどの人気を誇る映画『天使にラブ・ソングを…』。
主演のウーピー・ゴールドバーグは、1990年の映画『ゴースト/ニューヨークの幻』の演技でアカデミー賞助演女優賞やゴールデングローブ賞助演女優賞を受賞しているとはいえ、『天使にラブ・ソングを…』が彼女の代名詞的作品となっている。
ウーピー・ゴールドバーグが目の当たりにした問題
ウーピーが演じた自由人で明るいデロリスや、優しく超美声の持ち主であるシスター・メアリー・ロバート、テンション高めなシスター・メアリー・パトリック、そして最初はデロリスと対立したけれど、最後には彼女のことを受け入れるマギー・スミス演じる修道院長など、本作には愛くるしい修道女たちがたくさん。
しかしじつは、撮影裏ではある問題が起こっていた。コーラス隊には年配のシスターが多かったけれど、当初、彼女たちの給与が非常に少なかったという。Vulture Festivalに登場したウーピーが、当時を振り返った。
「あの女性たちは、私が彼女たちは得るべきだと思うものを得ていなかった。修道女の女性たちね。彼女たちは年配の女性だったでしょう。私は、彼女たちはディナーを食べに出かけられて、ホテル代とかを心配すべきじゃないと感じた」
ウーピー・ゴールドバーグが行動を起こす
シスター役の俳優のなかには、70代や80代の女性たちもいた。ウーピーの口ぶりから察するに、そんな彼女たちは、生活費のためにディナーへ出かけることを控えていたということ。それはなかなかに切迫した生活と予想できるうえ、その状況にあったのは年配のおばあちゃん…。
『天使にラブ・ソングを…』の現場の話でなくとも、おばあちゃんたちがそのような状況に追い込まれているのは想像するだけで心が引き裂かれそうになる。さらに、コーラス隊の個性豊かな修道女たちの存在は、映画のかなめ。共演者のそんな状況を目の当たりにしたウーピーも、さすがに放っておけなかったそうで、ある行動を取ったという。
「私は病気になったの。ストライキはしなかったよ。でも、私の咳やくしゃみが、私たちが抱える他の問題と重なったら…、彼ら(制作陣)はそれを修正した。それは素晴らしいことだったね」
ストライキはしなかったと説明するものの、ウーピーの行動はそれの一種であることは間違いない。とはいえ撮影陣もすぐに動いたようで、“病気になっていた”のは1、2日ほどだったそう。デロリスと修道女の絆は、劇中だけでなく現実でも育まれていたよう。(フロントロウ編集部)