長年愛されるSFの傑作『バック・トゥ・ザ・フューチャー』
映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は1985年に公開され、PART3まで続いたSF作品。『BTTF』という略称で親しまれている本作は、ロバート・ゼメキス監督が手掛けた大ヒット作で、当時、社会現象を巻き起こすほどの大ヒットを記録した。
そんな本作に出演し、「時計塔を救いましょう!(Save the ClockTower!)」というセリフで見るものに強烈なインパクトを残した俳優のエルサ・レイヴンが、2020年11月3日、91歳で他界した。落雷で崩れたヒルバレー時計塔を救うために募金活動を行う活動家の役を演じた彼女は、短い出演時間ながら、『BTTF』には欠かせない存在だった。
彼女の訃報を受けたシリーズ脚本のボブ・ゲイルは米THRのインタビューで「1分にも満たない出演時間にもかかわらず、誰もが彼女のことを憶えている」「彼女は、小さな役を記憶に残るシーンへと変える一流の演者だった」と、エルサの功績を称賛。
「彼女をキャスティングしたことこそ、ボブ・ゼメキス監督の、全ての役が重要で記憶に残るものにできるというモットーを表していた。小さな役でも、節約するために安い俳優を雇うようなことはしなかった。二流のフレーヤーは映画を台無しにする、それは1作目で僕らが学んだことだったからね」と続けた。
今回、マーティ役を務めたマイケル・J・フォックスも米USA Todayのインタビューでエルサとの感動的なエピソードを明かした。
マイケル・J・フォックス、「時計塔を救いましょう!」のエルサ・レイヴンを語る
マイケルは映画の公開からずいぶん経った後に映画のイベントに参加した時のことを振り返り、『BTTF』でのエルサの役が、ファンだけでなくエルサの人生にもどれだけインパクトを与えていたかを知ったエピソードを明かした。
「『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のコンベンションやコミコンに行くまでに、僕はずいぶんと時間がかかったんだけど、最終的に行った時に彼女(※エルサ)がそこにいた。彼女を見るのは最高の経験だったよ。彼女は群衆の中を歩きながら、『時計塔を救いましょう!時計塔を救いましょう!』ってシャウトしていたんだ」
「時計塔を救いましょう!(Save the Clock Tower!)」というセリフで多くのファンを魅了したエルサ・レイヴンは、他にも映画『タイタニック』や『モダーンズ』などに出演した。(フロントロウ編集部)