エルトン・ジョンが12月1日の「世界エイズデー(World AIDS Day)」に合わせ、TikTokでエイズにまつわる偏見について学ぶイベントを開催することを発表。ゲストとして、日本人アーティストのリナ・サワヤマやサム・スミスらが参加することも決定している。(フロントロウ編集部)

エルトン・ジョンがエイズの啓発イベントを開催

 本日12月1日の「世界エイズデー(World AIDS Day)」に合わせ、エルトン・ジョンがTikTokと手を組み、エイズについて啓発するイベントを開催することを発表した。

画像: エルトン・ジョンがエイズの啓発イベントを開催

 世界エイズデーは、世界レベルでのエイズのまん延防止と患者/感染者に対する差別や偏見の解消を目的に、WHO(世界保健機関)が1988年に制定したもので、エイズについて偏見を持っていないことを示すために“赤いリボン”を身につける「レッドリボン」運動をはじめ、世界各国で様々な取り組みが行なわれる日となっている。

 エルトンは日本時間現地時間12月2日午前4時より、夫であるデヴィッド・ファーニッシュらと共に、自身のTikTokアカウントでエイズの啓発イベントをライブ配信することを発表している。「HIVを全員が気にかけ、この病気につきまとう偏見を終わらせる必要があります」とエルトンは声明で述べ、今回のイベントについて、「HIVにまつわる定説を紐解き、安全なセックスについて話をして、自分自身や他の人たちを守る方法について若い世代に教育」することを目的としていると説明している。

 この日のイベントにはエルトンのほか、10月30日に通算3作目となるニューアルバム『ラヴ・ゴーズ』をリリースしたサム・スミスや、2019年9月にデビューアルバム『ハイパーソニック・ミサイルズ』をリリースした26歳の期待のシンガーソングライターであるサム・フェンダー、11月26日に新曲「LUCID」をリリースしたリナ・サワヤマらが出演する。エルトンは以前、リナ・サワヤマが今年4月にリリースしたデビューアルバム『Sawayama(サワヤマ)』について、「僕のアルバム・オブ・ザ・イヤー」だと称賛していた。

 エルトンは今年4月、新型コロナウイルス禍でHIV/エイズ患者を支援するために100万ドル(約1億1,000万円)の緊急基金も立ち上げている。

HIVとエイズの違いって?

 日本における今年の世界エイズデーのテーマは、「知ってる!? HIVとエイズの違い」となっている。

 エイズ(AIDS)=後天性免疫不全症候群とは、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)の感染によって、免疫に大切な細胞が減り、さまざまな病気を発症する状態のことをいい、エイズを発症してしまうと命を脅かす重度の症状を引き起こしやすくなる。一方で、HIVは近年の医療の発展とともに早期に適切な服薬治療を受ければ、免疫力を落とすことなく通常の生活を送ることが可能になってきている。

画像: HIVとエイズの違いって?

 WHOによれば、現在では抗レトロウイルス療法(ART)と呼ばれる治療を生涯にわたって受けることで症状の進行を遅らせることができているといい、この治療法よって、HIV陽性患者が感染していない性交渉のパートナーに感染させるリスクを96%下げられることも確認されているという。

 加えて、2000年から2016年の間に、新規のHIV感染者は39%減少し、エイズ感染の死亡者は3分の1に減少しているとのことで、WHOによれば、抗レトロウイルス療法によってこの期間の間に約1,310万人の生命が救われたという。

 また、HIVを保有する人に触れたり、その人が触れた物に触ったりすることでHIVに感染するという偏見もあるが、WHOはHIVの感染経路について、「感染した人の血液、母乳、精液、膣分泌液など様々な体液との接触」が挙げられるとした上で、「キス、抱擁、握手といった日常生活での接触や、個人で使用する物品、食品、水を分け合う」といった接触では感染しないと改めて明記している。

 このように、現在では適切な治療を受けることで、エイズは“治らない病気”ではない病気となっており、すべての人たちがきちんとそのことを認識して、HIV/エイズへの偏見を取り除いていく必要がある。(フロントロウ編集部)

This article is a sponsored article by
''.