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『ダークナイト』でトゥーフェイスが死ななかったら何が違った? ハービー・デント役のアーロン・エッカートが語る。(フロントロウ編集部)

ファンから絶大な人気を集める『ダークナイト』3部作

 クリストファー・ノーラン監督が手掛け、映画業界でコミック原作映画の立ち位置を変えたといえる『ダークナイト』3部作は、2005年から2012年にかけて公開された。

 3部作には、バットマン/ブルース・ウェインや執事のアルフレッド、ジェームズ・ゴードンなどはもちろんのこと、『バットマン ビギンズ』にはラーズ・アル・グールやスケアクロウ、『ダークナイト』にはジョーカーやトゥーフェイス、『ダークナイト ライジング』にはキャットウーマンやロビン、ベインなど、数多くのキャラクターが登場。

画像: ファンから絶大な人気を集める『ダークナイト』3部作

 そこまで多くのキャラクターが登場し、そして制作中にはジョーカーを演じた故ヒース・レジャーの突然の死去といった出来事がありながらも、3部作として散らばることなくつなぎ合わされたシリーズは、今なおファンから熱烈に愛されている。

トゥーフェイスを演じたアーロン・エッカート

 そんな『ダークナイト』シリーズのなかで、トゥーフェイス/ハービー・デントは、2作目の終わりに命を落とした。しかしバットマンとゴードンは、ハービーがトゥーフェイスとなって犯罪行為をしたことを、ゴッサム・シティの平和のために隠すことを決意した。しかしこの展開は、ハービーが一命を取り留めていたらどうなっていただろうか? そんな疑問をぶつけられたハービー役のアーロン・エッカートが、米Hollywood Reporterのインタビューで思いを語った。

画像: 撮影現場でのクリストファー・ノーラン監督(左)とアーロン・エッカート(右)。

撮影現場でのクリストファー・ノーラン監督(左)とアーロン・エッカート(右)。

「彼は真実を話しただろう。これこそがハービー・デントの最も素晴らしいところだ。何が起こっても彼は真実を話し、モラルを中心に置く。それだけでなく、彼は真実の体現者だろう?彼が後ろに何かを隠していないとは言いたくはない。彼は隠していないんだ。しかし彼がトゥーフェイスになった時には隠している。でもハービー・デントはすべての男性女性、真実と正義のために闘っている。彼はそのために身を切る覚悟でいる。しかしそのなかで彼はやられ、永遠に変わってしまった。でもハービー・デントを人生から失いたくないだろう。どれだけ多くのお金や圧力があり、どれだけ強制され操作され腐敗していようとも、ハービー・デントはモラルと真実に忠実であり続けるだろう。人はそれを頼りにする、そして最近はあまりそれを見なくなった。

繰り返しになるけれども、マスクの後ろに隠してるとは言いたくない。でもスーパーヒーローたちはマスクやマントなどの後ろにいる。では、マスクの後ろに隠れていないスーパーヒーローたちはどうなんだ?自分自身、そして大きな善のために忠誠を誓う…、スーパーパワーのないスーパーヒーローたち。その人たちはどこに?そしてそれが、ハービー・デントの良いところだ。とくにゴッサムという、すべての人が腐敗している場所においては。

すごく暗いことだよ。そしてそれは新たなポイントでもあるね。政治家になると、腐敗することを期待されるんだ。そして腐敗せずに立ち上がる人々は目立つ存在となる。さもなければ、人生は嘘だ。私たち自身、政治家やスポーツ選手、セレブリティなどを崇拝しているけれど、その人たちが腐敗しているかしていないかは分からない。なぜその人たちは決断し、裏側で何が起こっているのか、私たちは知らない。誰かが自分自身や真実に忠実であることは稀だ。だから私は、ハービーは、トゥーフェイスや(作中で)話されたウソを受け入れることはしないと信じる」

 自分たちが生きる社会でもはびこっている腐敗についても感じさせながら、ハービー・デントというキャラクターの信念や存在意義を分析したアーロン。

 とはいえ、ハービー/トゥーフェイスを演じたアーロン・エッカートは、当初、自分の登場時間がそこまで多いと思っていなかったそうで、ここまで多くのキャラクターを登場させながら物語をまとめあげたノーラン監督の才能を称賛した。(フロントロウ編集部)

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