サンタさんが少年のお願いを拒否!?
先日、米イリノイ州在住の4歳の少年、マイケル・デカルロがショッピングモールでサンタクロースに「あるもの」をお願いしたところ、“拒否される”というちょっとした騒動があった。毎年、世界中の子供たちにプレゼントを届けていることで知られるサンタだが、なぜマイケルのお願いに首を横に振ったのか? その理由は彼の「欲しいもの」にあった。
マイケルがサンタにリクエストしたのは、おもちゃの銃。後日、マイケルの母親がフェイスブックで公開した動画を見ると、サンタから何が欲しいか聞かれ「銃」と答えたマイケルに対し、サンタが「ノー、銃はダメだ」と答える姿が映っていた。マイケルの母親が息子が言っているのは本物の銃のことではなく「おもちゃの銃のことです」と助け舟を出すも、サンタは「それでもノー。たとえおもちゃであってもダメなものはダメ」と頑なに拒否。
サンタは続けて、「君のお父さんが君のために手に入れるのはいいんだ。でも私がそれを君に渡すことはできない。ほかに何か欲しいものはないのかい?おもちゃならたくさんあるよ。レゴとか自転車とか。車やトラック(のおもちゃ)だってある。どうかね?」と諭すも、マイケルはサンタの答えに納得がいかなったようで、母親のほうを振り向くと泣き出してしまった。
このサンタの対応にマイケルだけでなく彼の母親も納得できなかったようで、後日、「クリスマスの魔法をぶち壊した」という批判のコメントともに、事の一部始終を収めた動画をフェイスブックに投稿したところ、瞬く間に拡散。銃社会で知られるアメリカでは、昨今、銃規制を訴える声が絶えないことから、“たとえおもちゃであっても4歳の子供に銃を与えるのは教育上よろしくない”と考えたサンタの気持ちは十分理解できるが、問題が大きくなりすぎてしまったこともあり、ショッピングモール側はサンタにクビを言い渡した。
“別のサンタ”が現れて少年の夢を叶えるも…
じつは、この話にはまだ続きがある。今回の騒動を知って、「チャンス!」とばかりに出てきたのは銃規制に反対する全米ライフル協会(以下NRA)。NRAは、後日、マイケル宅に“別のサンタ”を派遣すると、彼がリクエストしていたおもちゃの銃をプレゼント。さらに、複数のおもちゃの銃に加え、NRAのワッペンがついたベストとNRAのライフタイム・メンバーシップ(終身会員証)まであげるという厚待遇だった。
ちなみに、少なくともマイケルと彼の両親はNRAの機転を利かせた行動に感謝しているようだが、ショッピングモールで出会ったサンタの対応を支持する人たちからは、NRAがあっさりマイケルにおもちゃの銃をプレゼントしただけでなく、彼らを宣伝のために利用したことを批判する声があがっており、色々と物議を醸している。
また、ショッピングモールで出会ったサンタがなぜおもちゃの銃であっても「ダメ」と言ったのかという、最も重要な教えをマイケルに伝える機会を彼の両親とNRAが奪ったことを嘆く声もあった。(フロントロウ編集部)