ガル・ガドットが人種をめぐる批判に物申す
映画『ワンダーウーマン』に続き公開中の最新作『ワンダーウーマン 1984』でも、主人公のワンダーウーマンを演じるイスラエル出身の人気俳優ガル・ガドットが、世界三大美女と称されるプトレマイオス王朝最後の女王、クレオパトラ7世を主人公にした新作映画『クレオパトラ(仮)で主演を務めることに対し、一部の人たちから「クレオパトラとは人種が違う(※)」といった批判の声が上がっていることに持論をぶつけた。
※プトレマイオス朝エジプトは多民族国家であり、ギリシア人だけでなく、ローマ人、エジプト人など様々な民族が混在していたと考えられている。諸説あるが、クレオパトラはマケドニア系ギリシア人の可能性が高いとされる。
つい先日、 BBC Arabicのインタビューで人種をめぐる批判についてどう思うか聞かれたガルは、「まずはじめに、あなたが事実に忠実であることを望むのであれば、クレオパトラはマケドニア人だった。だから、私たちはクレオパトラ役にふさわしいマケドニア人俳優を探したけど、見つからなかったの。でも、私はクレオパトラを演じることにものすごい情熱を持っていた」と言うと、「私にはイスラム教徒やキリスト教徒、カトリック教徒、無神論者、仏教徒、ユダヤ人といった、様々なバックグラウンドを持つ友人が世界中にいる。そして思ったのは、人は人であるということ。私はただ、(この作品を通じて)クレオパトラが後世に残したレガシー(遺産)を祝福し、私が尊敬するこの歴史的なアイコンを称えたいだけなの」と続けた。
また、ガルの言い分はともかくとして、彼女には批判を受けても前へと進む覚悟があるようで、「(クレオパトラを題材にした作品を作りたければ)誰でも作ることができるし、実行に移すことができる。私にもこの作品にかける強い思いがあるから、私は私でやってみようと思う」とも語っている。
ちなみに、今回、映像化の権利を獲得したのはパラマウント・ピクチャーズだが、じつはクレオパトラの伝記映画については、ソニー・ピクチャーズがもう何年も前から映画化に向けて動いていた。ソニー版『クレオパトラ』の主演にはアンジェリーナ・ジョリーや映画『アリー/スター誕生』でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされたレディー・ガガの名前が挙がっており、ジェームズ・キャメロンやデヴィッド・フィンチャー、ドゥニ・ヴィルヌーヴが監督候補に名を連ねている。ガルの「私は私でやってみる」という発言は、恐らくこういった背景にある複雑な事情を加味したものだと思われる。(フロントロウ編集部)