リル・ナズ・Xの本名は…
ラッパーのリル・ナズ・Xは、2019年にリリースしたデビュー曲「オールド・タウン・ロード(Old Town Road)」が19週連続で全米シングルチャートの1位に輝くという驚異の記録を樹立。さらに、最近では、同楽曲が14回目のプラチナ認定を受け、アメリカレコード協会の歴史上「最も多くプラチナ認定を受けた曲」となるなど、現代音楽界に名を残す快挙を成し遂げている。
そんなリル・ナズ・X(Lil Nas X)の芸名の読み方は、「リル・ナズ・エックス」で、ベースである「ナズ」は、もともと10代の頃からツイッターなどで自作のインターネット・ミーム(※)などを公開しては、バズることを狙う“ネット・パーソナリティー”として知名度を上げていた彼が、当時使っていたハンドルネーム。
※ネット上で流行するネタ画像や動画などの総称
そこに、「最近の若手ラッパーは『リル』と頭についている人が多いから」という理由でなんとなく「リル」とつけ、最後になんとなく「X(エックス)」を後づけしたことで、現在の芸名が誕生した。
この件について、最近出演した米トーク番組『ザ・トゥナイト・ショー』で言及したリル・ナズは、本名にまつわる逸話も告白。
彼の本名は「モンテロ・ラマー・ヒル(Montero Lamar Hill)」で、「モンテロ」というファーストネームはアメリカでは少しめずらしい名前と認識される。
名前の由来は母が憧れた「日本車」
番組司会者のジミー・ファロンから、由来をたずねられたリル・ナズは、「ちょっと恥ずかしいんだよね、いや、恥ずかしいってことはないか…」と前置きしながらも、「僕の母さんは、三菱のモンテロっていう車を欲しがっていたんだ。でも、手に入れることはできなかった…だから、僕はその車にちなんで名付けられたんだよね」と告白した。
「モンテロ」とは、日本では「パジェロ」の名前で三菱自動車工業が1982年から販売していた大型高級スポーツ用多目的乗用車。アメリカでは2006年以降販売が終了し、日本でも2019年の夏に惜しまれながら生産が終了した。
リル・ナズの母は、彼が生まれる前から7人乗りSUV車である「モンテロ」を所有することを夢見ていたそうだが、その夢を叶えることはできず、代わりに息子であるリル・ナズに「モンテロ」と名付けたという。
リル・ナズは、母親は「『しょうがない、これでガマンするか』って感じだったんじゃない? 」とおどけていたが、もしも、「モンテロ」ではなく、アメリカでも「パジェロ」という名称で販売されていたら、彼の名前は「パジェロ」になっていた可能性も?
「モンテロ」も「パジェロ」も響きとしてはカッコイイので、そのままラッパーとしての芸名にしても良さそうなものだけれど、リル・ナズ本人は、今の芸名が気に入っているよう。
リル・ナズといえば、一時期は、日本人シンガーのきゃりーぱみゅぱみゅの楽曲「チェリーボンボン」にハマったり、「オールド・タウン・ロード」のリミックスバージョンのMVに俳優のキアヌ・リーヴスが日本発の漫画/アニメ『NARUTO-ナルト』でおなじみの「ナルト走り」を披露するアニメーションを取り入れたり、2020年のヒット曲「パニーニ(Panini)」のMVに近未来の東京を彷彿とさせるシーンを盛り込んだりと、日本のカルチャーからの影響をのぞかせている。彼が日本にまつわるものに惹かれるのは、もしかして、本名に日本とのつながりがあるからなのかも?(フロントロウ編集部)