ダフトパンクが解散・引退
フランスのハウス/ディスコ/エレクトロ・デュオ、ダフトパンクが約30年間におよぶ活動の歴史に幕を下ろすことが分かった。
ダフトパンクは、米現地時間の2月22日公式YouTubeチャンネルで『Epilogue(エピローグ/終幕)』と題された約8分間の映像を公開。
映像の終盤ではゴールドのマスク(ギ)をかぶった片割れが、シルバーのマスクをかぶった相棒(トーマ)の背中に装着された起爆装置を起動させ、カウントダウン後に爆発して砕け散るという、ショッキングなシーンも。
相棒が亡きあと、一人で夕日に向かって歩くしみじみとしたシーンには、思わず涙してしまうファンもいるのではないだろうか。
動画では、彼らのキャリアにおいて最も輝かしいハイライトといわれる2013年のアルバム『ランダム・アクセス・メモリーズ』の収録曲『タッチ(Touch)』がフィーチャー。
公開された動画には「解散」といった文言は登場しなかったものの、長きにわたってダフトパンクの広報を担当してきたキャスリン・フレイザー氏は、米Varitetyに同ユニットが28年間の活動に終止符を打ち、解散・引退することを認めた。
もしかしたら、新プロジェクトの告知の可能性も?
トーマ・バンガルテルとギ=マニュエル・ド・オメン=クリストから成るダフトパンクは、1993年にサイボーグ風のマスクをかぶってDJを行なう、素性を明かさない覆面デュオとして活動を開始。1995年にリリースし、スパイク・ジョーンズがミュージックビデオを監督したことでも知られるシングル『ダ・ファンク (Da Funk)』は、ヨーロッパを初め世界的な大ヒットを記録。一躍彼らの近未来的で独創的なサウンドを世界中に広めることとなった。
前出のアルバム『ランダム・アクセス・メモリーズ』で、全英アルバムチャート、Billboard 200ともに自身初の初登場1位を記録。2014年、第56回グラミー賞で主要部門となる「最優秀レコード」、「最優秀アルバム」を含む、ノミネートされた5部門すべてで受賞を果たした。
謎に包まれた存在であるダフトパンクは、8年近くニューアルバムをリリースしていない。2016年にはシンガーのザ・ウィークエンド(The Weeknd)のアルバム『スターボーイ(Starboy)』に収されたコラボ曲「アイ・フィール・イット・カミング(I Feel it Coming)』が大ヒットしたが、近年では目立った活動はなかった。
ダフトパンクの広報は、解散の理由は説明しておらず、メンバーが今後、別の名義で一緒に音楽活動を続けていくのか、それとも別々に新たなキャリアを築いていくのかなどについてはコメントを控えている。
しかし、ダフトパンクは、これまでにも世間をあっと驚かせるような、意表を突く仕掛けでファンたちを魅了してきた。それだけに、もしかしたら、これが終わりではなく、今後、何らかの作品を発表したり、新たなプロジェクトをアナウンスする可能性もあるかもしれないと淡い期待を抱くファンたちも多い。(フロントロウ編集部)
※こちらの記事はスパイク・ジョーンズをスパイク・リーと記載していたため修正しました。