セレーナ・ゴメスと移植ドナーの親友がツイッターで話題に
シンガー兼俳優のセレーナ・ゴメスは、2015年に公表した全身エリテマトーデスと呼ばれる自己免疫疾患の治療の一環で、2017年の夏に腎臓移植手術を受けた。
この際、セレーナに左右ある腎臓のうちの1つを提供したのが、セレーナと同じく俳優として活動する親友のフランシア・ライサ。
セレーナは腎臓手術の無事終了を報告したインスタグラム投稿で、病院でフランシアと並んでベッドに横たわる写真を公開し、フランシアへの感謝のメッセージを綴っていた。
この手術の甲斐もあって、その後、休養期間を経て仕事復帰し、今では音楽活動や俳優業に精力的に励み、念願だったコスメブランドのプロデュースに挑戦できるほどにまで、体調が安定しているセレーナ。
そんななか、彼女の命を救った移植手術が思わぬ形で再び注目を浴びることに。
中国のテレビ局で放送されているバラエティ番組『Who’s The Murderer(原題:明星大侦探/英題訳:殺人者は誰?)』で、あろうことか、セレーナとフランシアの病室での1枚に出演者の顔が合成され、笑いのネタにされるという場面があった。
Having lupus is not funny, Having a transplant is not funny. Just STOP, this is sick, it's too serious. Selena deserves love, RESPECT SELENA AND FRANCIA pic.twitter.com/AFlZa3O6MI
— Selena Gomez Charts (@selgomezdata) February 24, 2021
これを知った世界中のセレーナのファンたちが「腎臓移植は重大な手術。それをネタにするなんて」、「術後の写真をジョークにするなんて、どういう神経をしているの?」、「セレーナとフランシアに謝れ!」などと激怒。
ツイッター上でブーイングが巻き起こったが、メッセージのほとんどに「RESPECT SELENA AND FRANCIA(セレーナとフランシアを尊重して)」といった文言やハッシュタグが含まれており、アメリカやインドといった国では一時ツイッターでトレンド入りした。
過去にも似たような騒動が
覚えている人もいるかもしれないが、じつは2020年にも、オンラインストリーミングサービスのPeacockで配信された学園ドラマ『セイヴド・バイ・ザ・ベル(原題:Saved by the Bell)』のあるエピソードで、セレーナの腎臓移植がネタにされたことがある。
同ドラマの第6話には、「セレーナ・ゴメスに腎臓を提供したのは、ジャスティン・ビーバーの母親だよ」「違う、あれはデミ・ロヴァートの腎臓。あの2人は私たちと同じで、元親友同士だから」というやりとりと、「そもそもセレーナって腎臓あるの?」というロッカーのイタズラ書きが登場し、世間から不謹慎すぎると批判を浴びた。
Saved by the Bell, that's disgusting. Selena almost lost her life, jokes about her kidney transplant is NOT FUNNY. Respect Selena Gomez. pic.twitter.com/c8AZbsU1m0
— Selena Charts (@selenachartsbr) November 28, 2020
クレームが殺到したことを受け、Peacockと親会社のNBCUniversalは声明を発表し、「今回の件について謝罪いたします。セレーナの健康問題を軽視するつもりはありませんでした」と謝罪。
セレーナのチームと連絡を取り、セレーナが設立した全身性エリテマトーデスの研究基金『セレーナ・ゴメス・ファンド・フォー・ルーパス・リサーチ(Selena Gomez Fund for Lupus Research)』に寄付を行なうことを約束した。
フランシアも、『セイヴド・バイ・ザ・ベル』の出演者やプロデューサーから個人的に連絡を受けたことを認めたが、Peacockと親会社の公式謝罪文の内容には納得していない旨を明かしつつ、「(自分だけでなく)ドナー経験者の多くが今回の件で気分を害したことをきちんと認めるべきだと思います」と苦言を呈した。
『セイヴド・バイ・ザ・ベル』の前例がありながら、そこから学ばず、移植手術患者やドナーを嘲笑するような演出を取り入れた『Who’s The Murderer』の制作者や出演者には、セレーナとフランシアへの誠意ある謝罪を求める声が鳴りやまない。(フロントロウ編集部)