アマゾン、「独裁者」を連想させる新ロゴデザイン
現代人の暮らしにおいて欠かせない存在となっているネット通販サービスのアマゾン(Amazon)は、2021年1月、モバイル端末用のアプリのロゴを一新。
おなじみの“笑顔の口元”のロゴが印刷された段ボール箱にブルーのガムテープを貼ったデザインを発表した。
しかし、スマホやタブレットではアイコンとして表示される、この新アプリロゴについて、世間の一部の人々から、ユダヤ人の大量虐殺や独裁政治により世界を第二次世界大戦へと誘った人物として知られるドイツ労働者党(ナチス)の党首アドルフ・ヒトラーの不敵な笑みを連想させるとの意見が上がった。
言われてみれば、ギザギザにカットされたブルーのガムテープがヒトラーのトレードマークとなっていたちょびヒゲに見えなくもない。
ちょびヒゲスタイル自体は、ヒトラーよりも先に喜劇役者のチャーリー・チャップリンが1900年代に世に広めたものだと言われているが、その後、独裁者のヒトラーの印象が定着したため、現代においては暗黙の了解的にタブーな扱いとなっている。
しれっとプチ改変していた
新たなアプリロゴのお披露目から約1カ月が経過するなか、アマゾンがひそかにロゴをアップデートしているのがSNSユーザーたちによって発見され、その変化に注目が集まっている。
新たなロゴは、ギザギザの切れ目の代わりに、剥がれかけのテープを取り入れたデザインに。ちょびヒゲっぽさは薄まり、ヒトラーの口元は連想しづらいものとなっている。
この改変がSNS上で話題になったことを受け、米アマゾンの広報は米Todayや米Vergeに声明を出し、こう説明。
「アマゾンはお客様を喜ばせるための方法をいつも模索しています。新しいアイコンは、お客様たちがスマホを使ってショッピングの冒険をする際、ちょうど玄関先に届いた私どもの会社のボックスを見つけた時と同じように、ワクワクや興奮、喜びを呼び起こすようデザインされました」。
声明では、ヒトラーのちょびヒゲとの類似点については触れなかったが、Vergeはアマゾンが世間からのフィードバックを踏まえたうえでプチ改変に踏み切ったようだと伝えている。
アップデートされたロゴに関して、ツイッターでは「まあ、ヒトラー感は15%減ってとこかな」、「ロゴが密かにプチ改変されてたことにまったく気づかなかったけど、少しはヒトラーっぽくなくなったんじゃない」といった感想が寄せられている。(フロントロウ編集部)