アカデミー俳優のヴィオラ・デイヴィス
映画やドラマ、舞台など、幅広い分野の第一線で活躍している俳優のヴィオラ・デイヴィスが、現地時間3月15日に発表された第93回アカデミー賞主演女優賞にノミネートされた。
彼女はこれまでに、映画『ダウト〜あるカトリック学校で〜』やドラマ『殺人を無罪にする方法』をはじめとする数々の作品に出演し、アカデミー賞、ゴールデン・グローブ賞、エミー賞、トニー賞などの名だたるアワードで演技賞を獲得してきた名優。
これまでに3度アカデミー賞の演技部門でノミネートを受けたヴィオラは、今回Netflix映画『マ・レイニーのブラックボトム』で主演女優賞にノミネート。黒人女性の俳優史上最も多くのアカデミー賞のノミネートを受けた俳優、そして、同じく黒人女性の俳優として、初めて主演女優賞に2度ノミネートされた俳優となった。
アカデミー賞で黒人がノミネートされるということ
現在55歳のヴィオラはこのノミネート直前に米Varietyのインタビューで、自身が“史上最多”になった場合は「有色人種がこのビジネスにおいて機会やアクセスを得られなかったことを反映しています」と述べていた。
「私が2021年に4目のアカデミー賞ノミネートを果たした時に史上最も多くノミネートされた黒人女優となるならば、それは、有色人種のアーティストにとっての作品が圧倒的に不足してきたことの証しとなります」と続けた。
アカデミー賞の演技部門において2回以上ノミネートされたことがある黒人女性は、ウーピー・ゴールドバーグだけ。ウーピーは、1990年に『ゴースト/ニューヨークの幻』でアカデミー賞助演女優賞を受賞した。黒人男性の最多はデンゼル・ワシントンで、8回ノミネートされ、そのうち2回受賞。次にノミネート回数が多かったのはモーガン・フリーマンで、これまでに5回ノミネートされ、1回受賞をしている。
一方で、白人女性の最多はメリル・ストリープで、21回ノミネートされ、そのうち3回受賞。白人男性の最多はジャック・ニコルソンで、12回ノミネートされ、3回受賞している。
この数字を見ても、アカデミー賞の93年の歴史の中で黒人俳優、とくに黒人女性がいかにノミネートを受けてこなかったかがわかる。ヴィオラはまた、米Varietyのインタビューで「才能がないからではなく、努力していないからでもない。私たちには、(白人と)同じレベルでスタートするために必要な許可やツール、その他すべてのものを与えられていないという根本的な真実がある」と語った。
気になる受賞結果が発表される第93回アカデミー賞授賞式は、WOWOWにて日本時間4月26(月)午前8時半よりスタート。(フロントロウ編集部)