ヘンリー王子がシリコンバレーを拠点とするスタートアップ企業に就職したことがわかった。(フロントロウ編集部)

ヘンリー王子が民間企業に就職

 妻メーガン妃とともにイギリス王室の主要王族の座を退き、2020年の年始からアメリカに生活の拠点を写したヘンリー王子(36)が民間企業に就職したことが明らかになった。

 ヘンリー王子が「チーフ・インパクト・オフィサー」という役職に就任したのは、カリフォルニア州サンフランシスコ・ベイエリアにある巨大ハイテク企業とベンチャー企業の集積地、通称“シリコンバレー”にオフィスを構えるBetterUp Inc.(ベターアップ)という会社。

 ヘンリー王子は、コーチングやメンタルヘルスケア、カウンセリングに特化したアプリを運営する2013年創業の同社で、製品戦略に関する決断や慈善寄付に関する分野などで手腕を振るうという。

画像: ヘンリー王子が民間企業に就職

 米The Wall Street Journal(以下WSJ)のメール取材に応じたヘンリー王子は、人々の内面にフォーカスした事業に携わることへの意気込みを「人々の暮らしにインパクトを生み出す手助けをすることを目的としています。先を見越したコーチングは、個人の成長において無限の可能性を提供し、意識を向上し、人生の質も向上させてくれるのです」とコメント。

 BetterUp社が運営するクライアントとコーチを繋ぐマッチングアプリを過去数カ月にわたって使用していることを明かし、「いつも適格なアドバイスや新鮮な観点に気づかせてくれる素晴らしいコーチと出会うことができました」と、自分もアプリを通じて信頼できるコーチとマッチングすることができたとも明かした。

コーチング(Coaching)とは?

促進的アプローチや指導的アプローチで、クライアントの学習や成長、変化を促し、相手の潜在能力を引き出して、最大限に力を発揮させることを目指す能力開発法・育成方法論。適格な質問を投げかけ、話を“聞く”ことを通じてクライアントを支援するためのコンサルテーション(相談)の形態。昨今では、スポーツやビジネス、教育の分野などで広く取り入れられている。

「〇〇アドバイザー」とは違い、“答えを与える”のではなく、クライアントと一緒に考えることで“答えを創り出す”、もしくは内にある“答えを引き出す”役割を果たす。


就職のきっかけは? 最初はリモート勤務

 WSJによると、ヘンリー王子が企業価値17.3億ドル(1870億円)といわれるBetterUp社で役職に就くことになったのは、2020年秋に共通の友人を通じて同社のアレクシー・ロビショーCEOと知り合ったことがきっかけだったという。

 インパクト・チーフ・オフィサーとなるヘンリー王子が具体的にどういった待遇でBetterUp社の運営に迎えられたかは明かされていないが、ロビショーCEOは、ヘンリー王子の仕事内容について「有意義で豊富な内容の役職」だと説明している。

 現在、BetterUpの本社オフィスがあるサンフランシスコ市内からは500㎞以上離れたサンタバーバラ郡モンテチトに自宅を構えて、第2子を妊娠中のメーガン妃と第1子のアーチーと暮らしているヘンリー王子。新型コロナの影響もあり、現在同社が新規募集しているほかの職種と同様、最初はリモートによる勤務となるが、将来的にはオフィスを訪れてミーティングに参加したり、社内の特別なイベントに出席する可能性も視野に入れているという。

画像: 就職のきっかけは? 最初はリモート勤務

 王室時代からメンタルヘルスに関するプロジェクトに尽力してきたヘンリー王子。メンタルヘルスをケアするために必要なリソースに、より人々がアクセスしやすい環境を整えることの重要性について、「社会的障壁や経済的困難、もしくは恥の意識により、限界が来るまでメンタルヘルスの問題にフォーカスできずにいる人がたくさんいます。私たちは、“助けを求めるには、一度壊れたと感じなければならない”という概念から離れるべきなのです」と語っている。(フロントロウ編集部)

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