アニャ・テイラー=ジョイが『クイーンズ・ギャンビット』の成功を振り返る
2020年10月にNetflixで配信がスタートすると、配信開始から28日間で6,200万世帯に視聴され、脚本があるリミテッド・シリーズとしてNetflix史上最高の視聴回数を記録するなど、社会現象となった『クイーンズ・ギャンビット』。
米玩具メーカーのGoliath Gamesによれば、同番組の配信開始からチェス盤の売り上げが170%アップし、米オンラインオークション大手のeBayでも、チェス盤の取引が215%アップするなど、チェス界にも大きな影響を与えた同作だけれど、主人公のベスを演じたアニャ・テイラー=ジョイによれば、チェス界に与えたこうしたインパクトは、アニャたち制作陣の思惑通りだったという。
米Vanity Fairのインタビューに応じたアニャは今回、『クイーンズ・ギャンビット』を制作していた時のことを振り返り、「セットではよく、『チェスにセクシーさを取り戻そう』っていうことをジョークで言っていた」と明かした。
「視聴者の人たちが、実際にそう思ってくれるなんて思ってもみなかったんだけどね」と、同作が実際に視聴者の人たちがチェスに関心を向けてくれるきっかけになるとは思っていなかったとした上で、「『チェスではこういう人を演じよう、すごくセクシーだろうから』って思ってもらえるのがすごく嬉しい」と続けたアニャは、「私はチェスというゲームに活気を取り戻したの!」と力強く語った。
ベスは自分にとって身近な存在だったとアニャ
インタビューのなかで、『クイーンズ・ギャンビット』が社会現象を巻き起こしたことについて、「思うに、私が今年のことを理解するのは5年後じゃないかな。その時にようやく身にしみてくるんだと思う」と、まだ自分では実感できていないと語ったアニャ。
アニャはベスのなかに自分自身の要素があると感じていたといい、ドラマの原作となっているウォルター・テヴィス著の同名小説を読んだ際、「本を閉じた瞬間に、この物語を正しく伝えるためにキャラクターに自分自身を没入させないとっていうイメージが思い浮かんできた」と米Vanity Fairに明かしている。「彼女は、人生において長い間頭の中にあった私の声のような存在だった。身近に感じるものシーンもいくつかあった。自分が経験してきたものだったり、目撃してきたものだったり、すごくリアルだった」と、ベスは自身にとってかなり身近な存在のように感じていたと語った。
インタビューのなかで、“ベスという役から離れることはできたのか?”と訊かれると、「複雑なんだよね」とアニャ。「私には分からない。キャラクターごとに、惜しむ期間が変わってくるから。中には、離れて行かないキャラクターもいる。ベスもそういうキャラクターの1人なんじゃないかって感じているところがある」と続け、まだベスというキャラクターから完全には抜け出すことができていないと語った。(フロントロウ編集部)