アジア系コミュニティを狙ったヘイトクライムが急増
現地時間3月16日にアメリカのジョージア州アトランタとその近郊にあるマッサージ店3ヵ所で銃撃事件が発生し、8人が犠牲に。そのうちの6人がアジア系の女性だったことで、アジア系のコミュニティを狙ったヘイトクライムとの見方が強まっている。
今なお世界各地で猛威を振るっている新型コロナウイルスの発生が最初に確認されたのが中国だったことから、北米では、アジア系に対するヘイト行為が急増。アジア及び太平洋諸島系を標的にしたヘイト犯罪の撲滅を目指す市民活動団体Stop AAPI Hateによると、昨年3月から12月のあいだに、アメリカ国内とカナダのブリティッシュコロンビア州で報告があったアジア系に対するヘイト行為の件数は2,800件超に上るといい、アジア系の人々に対する暴力行為などが大きな社会問題となっている。
メーガン・ジー・スタリオンが寄付を表明
3月16日にジョージア州で発生した事件を受けて、バラク・オバマ元米大統領やジョン・レジェンド、フローレンス・ピューら多くのセレブが犯人に対する憤りや、アジア系コミュニティに対するサポートを示してきたなか、今回、今年の第63回グラミー賞で最優秀新人賞を受賞したラッパーのメーガン・ジー・スタリオンがアジア系コミュニティのために立ち上がり、アジア系アメリカ人のための活動を行なっているNPO法人「Asian Americans Advancing Justice」のアトランタ支部に寄付を行なうことを表明した。
メーガンは、以前にもコラボしたことのあるファッションブランド「ファッション・ノバ(Fashion Nova)」と、ジャーナリスト兼アクティヴィストのメイ・リー氏と協力して、「Asian Americans Advancing Justice」に約550万円(5万ドル)を寄付することを発表した。
「3月16日に、アジア系アメリカ人に対する無分別な暴力行為によって、それぞれの家族のもとから8人が失われてしまったことに心を痛めています」とメーガンは寄付に際してコメントを発表している。「『もうたくさんだ』と訴える、すべてのアジア系アメリカ人の方々と結束します」。
アジア系コミュニティへの寄付を表明したセレブはメーガンが初めてではなく、映画『トランスフォーマー』シリーズや『ハングオーバー』シリーズで知られる、韓国出身の両親を持つ俳優のケン・チョンも先日、アトランタの事件の遺族に少なくとも約550万円(5万ドル)を寄付したことが明らかになっている。
また、メーガンはこれまで積極的に寄付活動を行なってきたことで知られており、今月初めには、この時もファッション・ノバと協力して、警官に手違いで射殺された黒人女性のブリオナ・テイラーの一周忌に、ブリオナの母親らが立ち上げた、「ブリオナ・テイラー基金」に約1,100万円(10万ドル)を寄付した。(フロントロウ編集部)