ザラが『ポスター・ガール』で女性の様々な感情を歌う
「女性の平等のために、ポップミュージックにおける最高のポスター・ガールになりたいと思ってる」
国際女性デーにあたる今年の3月8日には、女性たちを称えるために、自身の出身地であるスウェーデンが誇る家具ブランド、IKEAの店内からYouTube上でオンラインライブを開催するなど、フェミニストであることでも知られるシンガーのザラ・ラーソンは、2021年3月5日にリリースした最新アルバム『ポスター・ガール』についてのオフィシャルインタビューでそう話す。
また、ポスターとして部屋に飾るような憧れの女性を意味する、『ポスター・ガール』というタイトルが付けられているこのアルバムのアートワークについては、次のように語っている。
「アルバムのことを考えたときに、ビジュアルイメージが頭に浮かんだの。そのイメージがアルバムのジャケットなんだけど、10代の女の子らしい部屋、成長過程、壁に貼られたポスター、他の素晴らしい女性たちを見上げている様子とか、とても女の子らしいイメージでね。大人になってからは、部屋にいる普通の10代の女の子でありながら、ポップスターでもあるという、２つのバージョンの自分を演じてみたいと思ったの」
注目曲をパフォーマンス映像と共にご紹介
「このアルバムを聴いて、たくさん踊って楽しんでもらいたいと思ってる。このアルバムはアップテンポで踊りやすくて、楽しくてポジティブなものを目指していたから、このアルバムを聴いてハッピーな気分になってもらえたら嬉しいな。そして、自分の気持ちや感情に悪びれることなく、堂々とした気持ちになってほしい」
ザラがオフィシャルインタビューでそう話すように、『ポスター・ガール』には、オーディエンスを踊らせ、ハッピーな気分にしてくれるようなアップテンポな楽曲が揃っている。ここでは、ザラが3月8日の国際女性デーにIKEAの店内にて行なったオンラインライブからのライブ映像と合わせて、アルバムの注目ソングをご紹介。
「Love Me Land」
愛に正直に、そして大胆に
『ポスター・ガール』は、アルバムに込められた「自分の気持ちや感情に悪びれることなく、堂々とした気持ちになってほしい」というザラの思いが反映されたような、抑えられない愛を歌う「Love Me Land」からスタートする。力強い歌声で堂々と表現するパフォーマンスは必見。
あなたのやり方で私に触れて
ここに誰がいようが関係ない
汗ばんでいるのは
必死になっているからでしょ
「Talk About Love」
恋じゃなくったって良いでしょ
ザラは、「Talk About Love」でのヤング・サグとのコラボについて、オフィシャルインタビューで次のように話している。
「もう1人この曲に参加してもらいたいと思っていたところ、ある人がヤング・サグはどうかってアドバイスをくれたの。いいアイディアだと思ったから彼に参加したいか訊いてみたら、すぐにイエスって言って参加してくれたんだ。彼はこの曲に味を加えてくれて、さらに特別なものにしてくれたと思ってる」
この楽曲で歌われているのは、好きな人と恋人になった将来を思い浮かべ、失恋してしまう不安から、「恋の話はしたくない」と歌う恋心。ピアノで始まり、アコースティック風にアレンジされたパフォーマンスは、音源とはまた違う雰囲気を感じることができる。
あなたの夢を一晩で叶えてあげるから
なんだってしてあげる
でも恋の話だけは
お断り
「Right Here」
私のことを見てよ
ザラは「Right Here」で、かつて愛し合った元恋人から、もう相手にされなくなってしまった悲しみを、前向きにしてくれるようなアップテンポな音楽に乗せて歌っている。パフォーマンスでは、「私はここにいるのに／なぜ見てくれないの」という歌詞を体現するように、こちらを見つめながら歌うザラに目が離せなくなるはず。
私はここにいるのに
なぜ見てくれないの
無視するようにスクリーンを見つめている
私はここにいるのに
身にまとった香水は
あなたが6月にくれたもの
この香りがわからないの
私はここにいるのに
「WOW」
私だって求めたくなる
サブリナ・カーペンターが参加したリミックスバージョンもリリースされている「WOW」で描かれるのは、恋人からの愛を真っ直ぐに求める気持ち。音源以上にアッパーなアレンジに乗せたライブバージョンで、豊富なバレエ経験を活かし、しなやかなダンスを披露するザラに注目。
ベイビー、ドレスを身にまとうこともなく
Tシャツ一枚で私はカウチに腰かけてる
そんなふうに求められると私もあなたが欲しくなる
「Poster Girl」
あなたといると、私じゃないみたい
「『ポスター・ガール』はとても楽しくて少しファンキーな曲で、この曲を聴くと踊るのをやめられないの」
ザラがオフィシャルインタビューでそう話すように、アルバムのタイトルトラックでもある「Poster Girl」は、本作に収録されている最もダンサブルな楽曲の1つ。この曲では、好きな人に出会ったことで、これまで保ってきた自分のイメージとは違う自分が出てきてしまう、甘酸っぱい葛藤が歌われている。国際女性デーに行なわれた配信ライブでは、IKEAの店内に、ジャケット写真を連想させる、ティーンの女の子らしい部屋をイメージしたセットが登場した。
ちなみに、今では世界中のファンたちが部屋にポスターを飾るポスター・ガールの仲間入りを果たしたザラだれれど、そんなザラは米Bustleのインタビューで、自分が幼少期にポスターを飾っていたのはビヨンセやロックバンドのグリーン・デイ、クリスティーナ・アギレラだったと明かしている。
こんなの私じゃない
あなたのせいよ
どうしよう
私はこんな感情のシンボルじゃない
でも一緒にいると止められない
「Look What You've Done」
私がナンバー・ワン！
ザラの手にかかれば、失恋をハッピーなエネルギーに変えるのなんてお手の物。ザラは「Look What You've Done」で、自分に別れを告げた元恋人に向けて、1人になれたおかげで強くなれたとパワフルに宣言している。ご機嫌に踊りながら歌うパフォーマンスは、オーディエンスを前向きな気分にしてくれる。
もう二度と泣かない
前よりもずっと強くなったから
あなたはまた声をかけてくるけど
とりあえず踊り続ける
だってほら、あなたがいなくなれば
私が1番
びっくりね、こうなれたのもあなたのおかげ
感謝しなくちゃ
「Ruin My Life」
弱いところがあっても大丈夫
「私は弱さを感じることや、葛藤を恥ずかしいとは思わない。だって、誰しもが抱えていることだから」と、ザラは英Independentとのインタビューで「Ruin My Life」について話す。同曲で歌われているのは、自分の元を去ってしまった元恋人に向け、もう一度自分を満たしてほしいと強く望む気持ち。パフォーマンスでは、途中に差し込まれるザラによるダンスパートにも目を奪われる。
ベイビー、こっちにきて助けて
私に雨を降らせて
ベイビー、私のところに戻ってきて
めちゃくちゃにして、私の毎日を
Yeah めちゃくちゃにして
「FFF」
もう自分の気持ちを偽らない
「『FFF』は他の曲とはちょっと違う感じで、私のボーイフレンドについて書いたものだからかなり個人的な内容になってるの」
ザラがオフィシャルインタビューでこう話すように、“友だちと恋に落ちる”を意味する“Falling For Friend”の頭文字をとって「FFF」とつけられたこの楽曲は、ザラの現在の交際相手である、ダンサーのラミン・ホルメンとの関係にインスピレーションを受けている。ザラはIKEAでのオンラインライブでこそこの曲をパフォーマンスしていないものの、オフィシャルインタビューでは、この曲をアルバムのお気に入り曲の1つに挙げている。
ザラの恋人でダンサーのラミン。ザラとは「Talk About Love」のミュージックビデオでも共演している。
考えてみたの
もしも一線を越えたら
行きづまるかしら
愛ってブラインドを下ろすようなもの？
恋人どうしになるか
それとも永遠に
縁が切れるか
ザラは英Independentとのインタビューで、元々は友人だったラミンと恋に落ちた時のことを振り返り、「彼のことはもう何年も知っていてね。共通の友人もたくさんいるの。それなのに突然（恋に落ちて）、『どうしよう、私おかしくなっちゃったのかな？ それとも、2人の間に化学反応が起きてるのかな？』っていう風になって。友だちにそういう感情を持った時には、みんなもその感情に素直になったほうがいいと思う」と、アドバイスを送っている。
ザラから日本のファンへメッセージ
2017年5月に、H&Mとコラボしたカプセルコレクション「Zara Larsson >< H&M」のローンチを記念して、日本のH&M渋谷店で初となる来日プロモーションイベントを開催したり、同年の夏にはサマーソニックに出演したりするなど、これまでに何度か来日経験があるザラ。
オフィシャルインタビューでは、ザラがかなり日本通であることが分かる、次に来日した時に楽しみにしていることや、日本のファンへのメッセージも語ってくれた。
2017年5月、H&M渋谷店にて。
「まず初めに日本のキッチンが大好き。ラーメンも大好き。いい出汁が出ている日本のラーメンが世界で一番好きなの。お寿司も大好き。日本のキッチンにあるすべてのものが好きかも。味付け、味噌、醤油、とにかく全部おいしい。それから、日本のファッションもとても好き。ある意味、スウェーデンのファッションに似ていて、すっきりした美しいラインとかシンプルさが魅力的ね。もっと日本のいろんなところにも行ってみたいな。東京と大阪は行ったけど、ライヴだったからあんまりゆっくり観光はできなかったの。だから今度はもっとゆっくり時間をかけて、日本の美しい文化に触れてみたいの」
「アルバムを聴いてくれて本当にありがとう。本当に感謝してます。また日本でみんなと会うのが待ちきれない。（日本語で）みんなダイスキ！」
＜アルバム情報＞
ザラ・ラーソン 『ポスター・ガール』
2021年3月10日(水) 国内盤リリース
海外盤3月5日(金)リリース
SICP-6011 / ¥2,200+税
海外盤限定ボーナス・トラック2曲+日本盤ボーナス・トラック2曲追加収録
ストリーミングやダウンロード、購入はコチラから。
＜収録曲＞
01. Love Me Land
02. Talk About Love
03. Need Someone
04. I’m Right Here
05. WOW
06. Poster Girl
07. I Need Love
08. Look What You’ve Done
09. Ruin My Life
10. Stick With You
11. FFF
12. What Happens Here
海外盤限定ボーナス・トラック
13. Famous
14. When I’m Not Around
国内盤限定ボーナス・トラック
15. Don't Worry Bout Me
16. All the Time
Photo:ゲッティイメージズ,Instagram
（フロントロウ編集部）
