2018年度No.1ホラーの続編『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』がいよいよアメリカで5月28日に劇場公開される(日本は6月18日公開)。ワクチン接種が進み大型映画館が再開し始めているアメリカにおいて、本作の劇場公開を“コロナ明けの象徴”とする人が多い。(フロントロウ編集部)

『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』とは

 映画『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』は、実生活でも夫婦であるジョン・クラシンスキーとエミリー・ブラントが夫婦役を演じた映画『クワイエット・プレイス』の続編。映画で2人が演じるのは、音に反応する謎の“何か”に見つからないように静寂の中で生きる家族。“音を立てたら、即死。”という本作のユニークなコンセプトはセレブからも絶賛され、全米累計興収1億8,800万ドル以上を稼ぎ出して2018年度No.1ヒットホラー(BoxOfficeMojo調べ)となった。

 2作目では、1作目での死闘を経て家を失った一家が新たな隠れ家を求めて外の世界へと足を踏み入れていく。5月11日に解禁された本編映像では、平和な街に突然のように“何か”が現れた1日目が描かれており、1作目では明かされなかった経緯や謎に触れられるよう。

コロナ明けの象徴とされる2つの理由

 待望の2作目である『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』の劇場公開は、アメリカでは“コロナ明けの象徴”と見られている。

画像1: コロナ明けの象徴とされる2つの理由

 1つ目の理由は、アメリカでは『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』がパンデミックにより公開が延期された映画第1弾だったから。本作は2020年3月8日にニューヨークでワールドプレミアが開催されたものの、ニューヨーク州では同じ週末に緊急事態宣言が発令。翌週にはエッセンシャル・ビジネス以外のすべてのビジネスが営業停止となった。

 アメリカではよく道路沿いのビルボード掲示板に映画のポスターが貼られるけれど、多くの地域で急に劇場公開がストップしてしまったため、パンデミックが始まった当時に公開を予定していた映画のポスターが各地のビルボードに残されることに。ツイッター上では、「『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』のポスターが当初の公開日のままで貼られているんだけど、見るたびに気分が落ち込む」「パンデミックですべてがシャットダウンされた日を映画のポスターやビルボードで思い出されるのって変な感じ」などと、本作と“生活が変わった日”をリンクさせる人の声が多く聞かれていた

 それから1年以上が経ってようやく5月28日の全米公開が現実味を帯びており、パンデミックで止まった時計が再び動き出すことが喜ばれている。

画像2: コロナ明けの象徴とされる2つの理由

 2つ目の理由が、本作は劇場で見ることに醍醐味がある映画だから。

 アメリカの映画館は声でリアクションを取る人が多く、音を立てることは日本に比べてだいぶ許されている。しかし本作は、音を立てたら“何か”に居場所がバレて死んでしまうという設定のため、1作目が公開された時にはどこの映画館にも静寂が流れた。

 そんな劇場の緊張感が新たな映画体験だと高く評価された本作だからこそ“劇場で見る”という価値を強く感じる映画人が多いようで、加ESPNのDJポール・ギャラントは“もう一度劇場で見たい映画”として本作を挙げて、「みんなと死んだような静けさを共有した初めての映画だったから」とツイート。

 映画『プラダを着た悪魔』などで知られる俳優のリッチ・サマーズはツイッターで、「『クワイエット・プレイス』。劇場は満員で、10代の若者が多かった。10代の若者たちと一緒にホラー映画を見たことがある。普通は面白くない。彼らは映画のほとんどの時間、息を止めていた(私たちもそうだった)。緊張をほぐすために調整されたいくつかの瞬間を除いては、何の音もしなかった。あの映画は平等なんだ」と、劇場だからこそ得られた“一体感”を振り返った。

 そんな“みんなと一緒に何かが体験できる”というこの映画の醍醐味を“ロックダウンからの解放”とリンクさせる人が多く、1年以上ぶりの劇場での映画体験は『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』でしたいという声が多く聞かれている。

 映画『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』は、アメリカでは5月28日公開。日本では6月18日公開。(フロントロウ編集部)

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