ドージャ・キャットとのコラボ曲「Best Friend」のリミックスに日本からちゃんみなが参加したことが話題になったスウィーティー(Saweetie)の、最高に“ICY”で、「ボスで、自立していて、タフで、CEOで、超アクティブ」なキャラクターに迫る。(フロントロウ編集部)

ドージャ・キャットとの「Best Friend」リミックスにちゃんみなが参加

 「私のベストフレンド、彼女は本当にイカしてる/自分で稼ぐから、男なんて必要ない」。ドージャ・キャットはコラボ曲「Best Friend」でベストフレンドのスウィーティーをそう紹介する。親友同士のスウィーティーとドージャが日焼けしているシーンから幕を開ける、2人がドライブしたり、ストリップクラブで踊ったりするこのミュージックビデオは、現時点でYouTubeにおいて1億1,000万回以上再生されるなど、大ヒットに。 

 イギリス出身のステフロン・ドンなど、スウィーティーは世界各地の女性ラッパーたちをフィーチャーした「Best Friend」の複数のリミックスバージョンをリリースしたのだけれど、ここ日本からは、日本語、韓国語、英語を巧みに操るトリリンガルラッパー/シンガーであるちゃんみなが、韓国出身のシンガーであるJamie(ジェイミー)とともに参加。

 ちゃんみなは3ヶ国語を見事に織り交ぜながら、「ちょー良いでしょ、私のJimmy Chooみたいに彼女はホット/扱えないよ君には」「分かるでしょミスター、あなたなんて必要ない/パパ活頑張れよ、シスター」と強烈なパンチラインをラップしている。

アジア系のルーツを持つスウィーティー

 ちゃんみなやJamieらが参加した「Best Friend」のリミックスをリリースしたスウィーティーは、アジア系をルーツに持っていて、アフリカ系アメリカ人の父と、中国系フィリピン人の母のもとに生まれている。ちなみに、おじには1980年代の後半から1990年代にかけて大活躍したレジェンド・ラッパーであるMCハマーが、いとこには、映画『バッドボーイズ2バッド』などに出演する俳優のガブリエル・ユニオンと、ニッキー・ミナージュアッシャーらとの作品などで知られるグラミー賞受賞プロデューサー、ゼイトーヴェンがいる。

画像: スウィーティー(中央)のおじはMCハマー(左)、いとこはガブリエル・ユニオン(右)。

スウィーティー(中央)のおじはMCハマー(左)、いとこはガブリエル・ユニオン(右)。

 ちなみに、既にゼイトーヴェンとは共に仕事をしており、ゼイトーヴェンはスウィーティーが2019年にリリースしたデビューEP『High Maintenance(ハイ・メンテナンス)』にプロデューサーとして参加している。

ゼイトーヴェンがプロデュースを手がけた「Agua」

 スウィーティーは、日本人の母を持つ同じアジア系のシンガーであるジェネイ・アイコが参加した2020年リリースのシングル「Back to the Streets」のミュージックビデオで、自身のルーツにオマージュを捧げており、幼ないスウィーティーが母親に髪の毛を結ってもらうシーンなどが描かれている。

コラボレーターとしても引っ張りだこなスウィーティー

 ドージャやジェネイらを自身の楽曲に迎えてきただけでなく、コラボレーターとしても多くのアーティストから引く手あまたなスウィーティーはこれまでに、数々のリミックスなどにフィーチャリングで参加してきた。

 今年4月には、グウェン・ステファニーの新曲「Slow Clap」のリミックスに参加したほか、ジェシー・ネルソンが脱退して3人体制となってからは初のシングルとなったリトル・ミックスの「Confetti」や、エイバ・マックスの「Kings & Queens Pt. 2」、デュア・リパの「IDGAF」リミックスなどに参加している。

 スウィーティーがコラボレーターとして参加してきた主な楽曲のリスト。

アイデンティティは「ICY」

「私がセクシーじゃないなんて、そんなウソをつくのは止めときなよ
だって私はアイシーで、妻にしたい女で、ヘイターたちには喧嘩をふっかけられる」

 YouTubeでのミュージックビデオの再生回数は現在までに1億1,000万回以上を数えるなど、デビュー曲にして大ヒット曲となった2017年にリリースした文字通りの「ICY GRL(アイシー・ガール)」でそうラップするように、スウィーティーのアイデンティティを構成するキーワードはズバリ、“ICY(アイシー)”

 “Icy”とは、“氷のように輝いているクールなもの”を意味するスラングなのだけれど、2018年にその名も『ICY(アイシー)』というEPをリリースし、同年には自主レーベルIcy Records(アイシー・レコード)を立ち上げるなど、自身を表すキーワードとしてたびたび“ICY”を用いてきたスウィーティーは、米W誌とのインタビューで、“ICY”に込めた思いを次のように説明する。

「“Icy”は自信、強さ、自立心、それから、あらゆる点において自分の手で人生を握っているという意味だよ」

 ちなみに、「タップ、タップ、タップ・イン」のキャッチーなフレーズが特徴的な、2020年にTikTokで話題になった楽曲の第6位にランクインしたシングル「Tap In」にも、「一番好きな言葉は? ICY」というリリックが登場する。

Icy Universityを開講

 また、スウィーティーはYouTubeに「Icy University(Icy大学)」と銘打ったHow Toシリーズの動画を投稿しており、ここでは、ICYな女性になるために学ぶべき以下の4つの講座を、スウィーティー教授から学ぶことができる。

1. 自分でビジネスを始める方法
2. 8桁(日本円で10億円)の収入を稼ぐ男を捕まえる方法
3. プリティなビッチになる方法
4. クソ男を忘れる方法

 自立心を大切にするスウィーティーにとって、「8桁の収入を稼ぐ男を捕まえる」ことが重要である理由は至ってシンプルで、恋人に稼いでもらいたいからではなく、そういう男性が自分のタイプだから。スウィーティーは2019年に大ヒットを記録した文字通りのシングル「My Type」で、「リッチで8桁稼ぐ男、それが私のタイプ」と繰り返し宣言している。

待望のデビューアルバム『プリティ・ビッチ・ミュージック』を2021年6月25日にリリース

「ボスで、自立していて、タフで、CEOで、超アクティブ」

 日本語ではそのような意味になるスローガン「Boss, Independent, Tough, CEO, Hyphy」。スウィーティーが2021年6月25日に満を持してリリースするデビューアルバム『プリティ・ビッチ・ミュージック(Pretty Bitch Music)』のタイトルに記されている「BITCH」は、スウィーティーの人となりを完璧に表しているこのスローガンの頭文字になっている。

画像1: 「ボスで、自立していて、タフで、CEOで、超アクティブ」

「私はリアーナを見据えてる。カイリー(・ジェンナー)のこともね。自分と同じ世界で仕事をしているすべての女性たちのことを見ているの。彼女たちが稼いでいるお金の平均を計算してみたら、9億ドルで。だから、調子が悪い日には、『9億ドル稼ぐんだよ!突き進んで!』って自分を鼓舞してる」

 米W誌とのインタビューで、コスメブランドのフェンティ・ビューティー(Fenty Beauty)などを手がけるリアーナや、こちらもコスメブランドのカイリー・コスメティクス(Kylie Cosmetics)などを手がけるカイリー・ジェンナーらの名前を挙げながらそう話すように、スウィーティーは、9億ドル(約990億円)を稼ぐことを目標に掲げ、様々な分野で“ボス”もしくは“CEO”として“超アクティブ”に活動している。

 厳密には、スウィーティーがどこかの企業のCEOを務めているというわけではないものの、彼女は自分のCEO=最高経営責任者として、自分が手がけるあらゆるビジネスを自分の手でコントロールしている。これまでに、コスメブランド「モーフィー(Morphe)」やファッションブランド「プリティ・リトル・シング(PrettyLittle Thing)」、グローバルスポーツブランド「リーボック(Reebok)」とのコラボラインを発表するなど、ファッション業界にも参入しているスウィーティーは、米Forbesとのインタビューで、将来的にはファッションブランドを立ち上げたいという願望を明かしている。

「私はただのインフルエンサーではないし、ただのアンバサダーでもない。私はコレクションと一緒になって生み出している。(中略)最終的にはコラボレーションを通じて自分のブランドを創るのではなく、そういうコレクションたちと競争できるような、自分のファッションブランドを立ち上げたい」

画像: 2020年6月に発表した、Pretty Little Thing x Saweetieのコレクション。

2020年6月に発表した、Pretty Little Thing x Saweetieのコレクション。

ファッションアイコンとしても人気なスウィーティー

 「あらゆるところからインスピレーションを受けてる。売店へ行って、興味を持った表紙の雑誌を片っ端から買っているの」と米Harper's Bazaarとのインタビューで話すように、ファッションに関しても“アクティブ”に片っ端からインスピレーションを取り入れているというスウィーティーは、ファッションアイコンとして既に様々なショーに招待されている。

画像: 2020年2月、初めてミラノファッションウィークに参加し、プラダ(Prada)の秋冬コレクションのショーに出席したスウィーティー。

2020年2月、初めてミラノファッションウィークに参加し、プラダ(Prada)の秋冬コレクションのショーに出席したスウィーティー。

画像: 2019年にリアーナのランジェリーブランド、サヴェ―ジ×フェンティ(Savage X Fenty)のショーに参加したスウィーティー。

2019年にリアーナのランジェリーブランド、サヴェ―ジ×フェンティ(Savage X Fenty)のショーに参加したスウィーティー。

コミュニティに自身の知名度や人気を還元

 黒人の血を引くスウィーティーは、「表舞台にいる黒人の1人として、ファッションであれ社会正義であれ、私たちのコミュニティをより良いものにしてくれるものを支持することが、私たちの役割だと思ってる」と米UPROXXとのインタビューで語るように、自分たちのコミュニティのためにも、その知名度や人気を大きく活用している。

 デビューアルバム『プリティ・ビッチ・ミュージック』からのシングル「 Fast (Motion)」のミュージックビデオでは、ブランドン・ブラックウッド(Brandon Blackwood)ミエル・オーガニクス(Mielle Organics)マット・スイムウェア(Matte Swimwear)フランクス・ボッド(Frank’s Bod)ハイ・ヘンプ(High Hemp)といった、スウィーティーが普段から愛用している黒人が手がけるブランドのアイテムを身につけ、黒人デザイナーたちにトリビュートを捧げている。

 加えて、スウィーティーは稼いできた資産をコミュニティのために還元することも忘れない。スウィーティーは今年3月、祖母と共にブラック・アジアン・コミュニティを支援するための非営利団体「The Icy Baby Foundation(ジ・アイシー・ベイビー基金)」を立ち上げている。

 「お金があれば裁判に勝てる。お金があれば薬が買える。お金があれば道を舗装できる。お金があれば食事を並べられる。お金があれば、火も電気も使い続けることができる。自分の富をシェアできたらって思う。私がやりたいのはそういうこと」とスウィーティーは米Cosmopolitanとのインタビューで基金を立ち上げた理由について語っている。

画像2: 「ボスで、自立していて、タフで、CEOで、超アクティブ」

 「私は自信のある女性や、悪びれない女性、ビジネスに熱心で、やりたいことを何でもやるような女性を代表していると思う」とスウィーティーはデビューアルバム『プリティ・ビッチ・ミュージック』についての英Dorkとのインタビューで語っている。

「私にとっての『プリティ』は、単なる“顔の美しさ”ではないの。どうやって自分の道を進み、エネルギーや、オーラを操っていくかということ。私は女性や男性に自信を持たせるような音楽を作っているから、このプロジェクトには『プリティ・ビッチ・ミュージック』という名前をつけている。なぜなら、リスナーの人たちに自信を持ってもらいたいし、美しくなってもらって、稼ぎたいって思ってもらいたいからね」

<リリース情報>
スウィーティー / Saweetie
シングル「Best Friend (feat. Doja Cat, Jamie, CHANMINA)
配信中
ストリーミングやダウンロードはコチラから。

画像3: 「ボスで、自立していて、タフで、CEOで、超アクティブ」

Photo:ゲッティイメージズ,Instagram

(フロントロウ編集部)

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