ヴィランなのに愛される“裏切り王子”ロキ

“君の人生をたどってみたが、50回は人を裏切ってる”
ードラマ『ロキ』より
高潔で豪快な兄のソーと違って、気まぐれで、プライドが高く、悪だくみが好きなロキは、姿を変化させたり幻影を見せたりするパワーを使って人を欺くことを楽しみ、敵・味方に関係なく、嘘で相手の心のスキをついてはMCU映画で何度も裏切り行為を働いてきた。そんな彼についた呼び名は“裏切り王子”。
ただ、ロキはヴィランなのに、ロキマニアと呼ばれる巨大ファン層がいるほど支持は絶大。愛犬をロキと名づけたワン・ダイレクションのリアム・ペインや、ロキのヘッドピースをクリスマスプレゼントに贈ったマイクロソフト社のビル・ゲイツなど、セレブ界にもロキマニアはたくさん。
ではなぜ、ロキは愛されヴィランになれたのか?
ダークサイドに落ちた理由に同情の余地があること(父オーディンに認められたいあまり暴走した)や、つねに悪だくみをしていてコロコロと立場を変えるからヴィランなのかヒーローなのか予想がつかないところ、そして、シェークスピア劇から飛び出してきたかのように壮大なセリフ回しで人を見下す皮肉屋キャラが、ロキの人気のヒミツ。
悪の道を突っ走っている時でも実はグッドサイドにくるのでは?と期待を抱かせるフシがあり、でも良いことをしたかと思ったら気まぐれでまた悪だくみをしてと、一寸先は期待OR裏切りなのがロキ!
ドラマ『ロキ』は、MCU初心者でもウェルカム!
ドラマ『ロキ』がマーベルドラマ入門としておすすめな理由は、映画『アベンジャーズ』からの続きとなっているアナザーストーリーだから。
映画『アベンジャーズ』で人類を征服しようとしたあと、アベンジャーズに捕獲されたロキ。しかし『アベンジャーズ/エンドゲーム』で、アベンジャーズたちが瞬間移動できる四次元キューブ(テッセラクト)を使って、ロキが捕獲された直後にタイムトラベル。ロキは、未来から来たアベンジャーズが持っていた四次元キューブを混乱の中で手に入れて逃げ出してしまった。
ドラマ『ロキ』はこの後から幕開けるため、マーベル作品初心者にとってはここから初められるMCU作品というわけ!
海外ドラマ好き必見! 映画クオリティのタイムトラベル・ミステリー
“君が行く先々には死と破壊。世界の終わりがついて回る”ードラマ『ロキ』より
ディズニープラスで2021年から“映画級ドラマ”の制作を始めたマーベル・スタジオがドラマ『ロキ』で挑むのは、タイムトラベル・ミステリー。時空を超えて捜査をするタイムトラベル・ミステリーは入り組んだストーリーや予想外の展開が見られることから、『ドクター・フー』や『HEROES/ヒーローズ』、『アンブレラ・アカデミー』などでも取り入れられている人気ジャンル。
ドラマ『ロキ』では、『アベンジャーズ』シリーズで時空を移動できる四次元キューブ(テッセラクト)を盗んだロキが、時間の流れを監視する謎の組織TVA(タイム・バリアント・オーソリティ)に、存在を消される代わりに、タイムトラベルして実際の事件を塗り替えよというミッションを与えられる。あのロキを信用しちゃう!?というつっこみはさておき、マーベルNo.1の嘘つきがヒーローになるチャンスを与えられたとき、物語はどんなローラーコースター的展開を見せるのかは見もの。

ミステリードラマではバディキャラの存在も重要だけれど、『ロキ』では、オーウェン・ウィルソンがお馴染みのまったりキャラでTVA捜査官メビウス・M・メビウスとして登場。人を鼻で笑う高慢なロキと、そんな彼をゆる~くかわすメビウスの凸凹コンビぶりは視聴者を楽しませそうな予感。さらに、ポスターにも登場しているTVAのマスコット、ミス・ミニッツも忘れてはならない。親切な様子でロキを案内してくれるのだけれど、笑顔はカワイイのに目が笑っていないミス・ミニッツは反抗的な者には容赦ないというウワサ…。
ヘッドライターに大人向けSFコメディアニメ『リック・アンド・モーティ』でエミー賞を獲得したマイケル・ウォルドロンを起用しているあたり、コメディ要素もたっぷりになるであろう『ロキ』。タイムトラベル・ミステリーの醍醐味が揃った『ロキ』を、マーベル・スタジオはどのような映画級ドラマに昇華させるのか。すべてはディズニープラスで確認して。
<作品情報>
ドラマ『ロキ』
ディズニープラスにて独占配信中
毎週水曜16時に新エピソード追加
ドラマ『ロキ』の視聴はコチラ
(フロントロウ編集部)