アメリカのウーバーイーツ配達員が、トランスジェンダーであることが理由で通報され、アカウントが凍結されたという。(フロントロウ編集部)

ウーバーイーツ配達員に向けられた嫌がらせ通報

 新型コロナウイルスの影響もあり、2020年5月からウーバーイーツ配達員として働き始めたというレベッカ。彼女は線維筋痛症を抱えており、さらに他の健康的な理由からも、ウーバーイーツ配達員として働くことは、自分のスケジュールをフレキシブルにコントロールできるため、素晴らしいと語る。

 米ABC11の取材で、彼女は、ほとんどの利用客との応対経験はポジティブなものだったと振り返る。しかしこれまでに2度、利用客から、プロフィールと違うという理由で通報されたそう。 

 レベッカは、それは彼女がトランスジェンダーだから起こったことだと思っているという。

 2020年8月に、初めてその出来事が起こった時には、彼女はウーバーイーツと長時間の電話をしなくてはならなかったそう。しかしその時にウーバーイーツは、配車サービスのウーバーも含め、企業内にトランスジェンダーの運転手と配達員のための部門があり、専門のサポートチームもいると説明。

 レベッカは、「私がトランスジェンダーであること、私を執着的に通報するような人がいる可能性を彼らは理解し、こういったことは2度と起こらないと言っていた」と話す。

画像: ウーバーイーツ配達員に向けられた嫌がらせ通報

 しかしその数ヵ月後に、ふたたび同様の出来事が発生。そしてウーバーイーツは彼女のアカウントが凍結された理由を説明したものの、当初は誰か別の人物が彼女のアカウントを使っているという説明が、その後安全性の違反という説明に変わるなど、理由が定まらなかったという。

 レベッカは、「ウーバーイーツはすべてのことにアルゴリズムを使っていて、そこに人の手によるものはありません。彼らは包括性を掲げ、このような出来事から守ってくれると言いますが、私は信じません」と語り、ウーバーイーツと利用客ともに、トランスジェンダーへの理解を求めた。

 ウーバーがLGBTQ+支援のために力を入れているのは事実。社内コミュニティにはLGBTQ+支援のための“Pride at Uber”を設けており、6月のプライド月間にあわせて、「Uber Pride月間」も実施。社内外で多様性の尊重を呼びかける活動を行っている。そして2016年からは、米人権NGOヒューマン・ライツ・キャンペーン財団によるLGBTQ+が働きやすい環境のある企業に贈られる賞Best Place to Work for LGBTQ Quality/Disabilityを受賞している。

 しかし、レベッカは、配達員が自分の身分を証明し、公式に凍結解除を訴える方法を構築してほしいとしており、改善できる点はある。レベッカのアカウントは、米ABC11が間に入ったあとに再開された。

 6月は、プライド月間。様々な場所や方法でLGBTQ+差別は残っている。レベッカの一件を機に、働き方や労働環境における問題に目を向けたい。

(フロントロウ編集部)

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