ピンタレストが検索増のLGBTQ+キーワードを発表
ビジュアル探索ツールの Pinterest(ピンタレスト)が6月のプライド月間を祝して、LGBTQ+に関連するキーワードのグローバルでの検索データを公開。多くのキーワードで、前年に比べて検索数が増加傾向にあることがわかった。
なかでも18〜24歳のZ世代はピンタレストのようなツールを使って多様なセクシャリティやジェンダーアイデンティティを表現したり称えたりするためのインスピレーションを求めているそうで、「パンセクシャル プライド」(検索数 4倍)や「アセクシャル ユーモア」(検索数 2.5倍)などの検索数が倍増。
そんなZ世代の間でとくに人気が高まっているのが、「オムニセクシャル」(検索数 8.5倍)と「アブロセクシャル」(検索数 3倍)だという。
※パンセクシャル:相手のジェンダーアイデンティティに関係なく恋愛・性的感情を持つこと/アセクシャル:他者に性的感情を抱かなかったり、性的欲求が低いまたはないこと。
Pinterestのプライド月間アクション
ピンタレストでは6月のプライド月間中、LGBTQ+当事者と LGBTQ+アライ(支持者)のクリエイターによるコンテンツをピックアップタブで紹介。さらに、LGBTQ+の移民の権利を主導する団体であるImmigration Equalityや、多様なジェンダーの子供や若者、その家族を支援する英国のMermaids、アボリジニの人々およびトーレス海峡島民のLGBTQ+コミュニティにイノベーション、インクルージョン、理解、擁護を通じて力を与えることを約束する組織BLAQに寄付を発表しているほか、LGBTQ+の問題を擁護する組織に対する従業員の寄付を2対1でマッチングしている。
オムニセクシャル(Omnisexual)とは
オムニセクシャルの意味
オムニセクシャルとは、あらゆるジェンダー(性別)やセクシャリティ(性的指向)の人に、感情的、または性的に惹かれるセクシャリティのこと。1つよりも多くの性別に惹かれる人が含まれるマルチセクシャル(multisexual)のカテゴリーに入る。
オムニセクシャルとパンセクシャルの違い
オムニセクシャルはパンセクシャルと同じ意味で使われることが多い。両者は非常に似ているものの、1つ大きな違いがある。それが、ジェンダーを認識しているかどうか。
パンセクシャルの人たちは相手のジェンダーを認識しないうえで魅力を感じるが、オムニセクシャルの人たちは、相手の性別を認識したうえで恋愛や性的感情を抱くものの、その認識がパートナー選びに大きな影響を与えない。
一般的に、パンセクシャルの人たちはジェンダー・ブラインド(※ジェンダーの存在を認識しないこと、日本語で性盲目と訳されることも)だが、オムニセクシャルはジェンダー・ブラインドではない、とされている。
オムニセクシャルの語源
「Omni(オムニ)」はラテン語で「すべて」を意味する接頭語。
オムニセクシャルの旗(フラッグ)
オムニセクシャルの旗は、薄いピンクと薄い水色がジェンダースペクトルを表していて、ピンク色は女性らしさや女性に対する魅力を、青色は男性らしさや男性に対する魅力を、濃い紫(黒として描かれることも)はそれ以外の性自認の人に対する魅力を表しているとされている。
アブロセクシャル(Abrosexual)とは
アブロセクシャルの意味
アブロセクシャルは、セクシャリティが流動的(フルイッド)な人を表すための言葉。アブロセクシャルの人は、例えばある時期にはバイセクシャルだと自認していて、また別の時期にはアセクシャルと自認しているなど、時間の経過と共に性的指向に変化が生じる。1つよりも多くの性別に惹かれる人が含まれるマルチセクシャル(multisexual)のカテゴリーに入る。
ある時は男性に強く惹かれていたのに、また別の時は少ししか惹かれない又はまったく惹かれないというように、性的指向の強さが大きく変化した場合はアブロセクシャルと言える。ただ、生涯においてセクシャリティが変化する回数や期間に定義はなく、当事者ごとに違う。
アブロセクシャルの語源
ギリシャ語の「abro(アブロ)」には「繊細な」「優美な」という意味があり、アブロセクシャルの人たちの変化や動きを象徴している。
アブロセクシャルのフラッグ(旗)
最も一般的に知られているアブロセクシャルのフラッグは、緑~ピンク色。ブログのTumblr発祥とウワサされているが、誰が作ったか、どういう意味でこの色が選ばれたか、などは分かっていない。
(フロントロウ編集部)