海外の除毛用品ブランドが、プライド月間のキャンペーンで古典的なおとぎ話を多様性のあるストーリーにアレンジ。その主役は、長いワキ毛を持つラプンツェルやキス以外で目を覚ます白雪姫。(フロントロウ編集部)

除毛用品ブランドBillieのプライドキャンペーン

 女性は体毛を処理しなければいけないという固定概念を覆すためのムーブメントが徐々に広がるなか、その先頭をいくのが、シェーバーや除毛クリームなどを中心に展開するブランドでありながら、体毛の処理をするか否かという選択は自由であるというメッセージを掲げてきたBillie(ビリー)。

画像: mybillie.com

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 女性向けの除毛用品のCMでは、すでにツルツルの肌を剃る“フリ”をする演出のものが多いなか、Billieは体毛が生えるのは当たり前のことというメッセージを伝えるために2018年に世界ではじめて実際の毛を映した動画を作成。その後2019年には、これまで業界のタブーとされてきた女性たちの陰毛を堂々と映した動画を公開し、大きな話題となった。

 そんなBillieが6月のプライド月間に合わせて、多様なジェンダーアイデンティティやバックグラウンド、体型を持つプリンセスを主役にしたキャンペーンビジュアルをインスタグラムで公開した。

誰もが知るおとぎ話を現代風にアレンジ

 Billieのプライド月間のキャンペーンでは、塔の上のラプンツェルや白雪姫、シンデレラ、リトル・マーメイドといった誰もが知るおとぎ話を、ユーモアを交えながら多様性に満ちた現代風のストーリーに再構築。

 塔の上のラプンツェルをアレンジした「Billie's Rapunzel」では、長い長いワキ毛を持ち、髪は青いバズカットにしたプリンセスが主人公。

 ステレオタイプのプリンセス像とはかけ離れたBillieのラプンツェルは、同性愛者を自称していて、プリンスの助けを待ってはいない。そもそも誰のことも待ってはいない。なぜなら、塔に閉じ込められているのではなく、自身で所有する豪華なペントハウスに住んで人生を楽しんでいるから。そしてそこにはもちろん、エレベーターもついている。このBillieのラプンツェルのストーリーには、面白い、大好きといったコメントが多く寄せられている。

 また白雪姫から着想を得た「Billie's Snow White」は、ジェンダー・フルイドの7人の小人と暮らす白雪姫が、毒入りのコールドブリューコーヒーを飲まされた後、プリンスによって助けられるというストーリー。

 これだけ聞くと一般的な物語と大差ないように思えるけれど、この物語ではキスをしようとするプリンスを小人たちが「白雪姫は無意識状態だから」と制止。プリンスも同意のないキスはよくないと気づき、白雪姫が奉仕活動を喜ぶことを思い出して、白雪姫の洗濯物をたたみ、いくつもの荷物を返品するなどして目覚めさせるというストーリーになっている。

 このキャンペーンをスタートさせた経緯についてブランドの創設者であるジョージナ・グーリーは、「幼い頃に見たおとぎ話が、偏った価値観を植えつけることが多いからこそ、より多くの女性が当事者だと感じられてくすっと笑えるような新しいストーリーを描きたかった」と語った。また、今回のキャンペーンビジュアルは、実際にLGBTQ+コミュニティのメンバーによってつくられている。

画像: 誰もが知るおとぎ話を現代風にアレンジ

 ちなみにBillieは、ブランド設立当初から収益の1%を女性の活動を支援する複数の団体に寄付し続けており、ブライド月間の期間中は、その金額をLGBTQ+の若者を支援する慈善団体であるザ・トレヴァー・プロジェクトに寄付する。

 海外の除毛用品ブランドが打ち出したプライド月間のキャンペーンビジュアル。今回紹介した2つの物語のほかにも、シンデレラやリトル・マーメイドのストーリーも公開予定なので、気になる人はチェックしてみては。(フロントロウ編集部)

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