ツアーを強制させられていたことを告白したブリトニー・スピアーズ
米現地時間6月23日にロサンゼルス郡上級裁判所で行なわれた審問にリモートで出廷して、2008年から続く父親ジェイミーによる後見人制度の終了を求めたブリトニー・スピアーズ。後見人制度の終了を求めてから初めて自らの口で証言したブリトニーはこの日、「性的な人身売買」の被害者に自分をなぞらえながら、自らが置かれている壮絶な環境について証言した。
そのなかで、ブリトニーは2013年から2017年まで4年にわたってラスベガスで定期公演を行なった後で、その直後からワールドツアーを行なうことをチームから強制されていたことも打ち明けており、「ベガスの(定期公演の)ステージを降りた後で、(ツアーをするという契約書に)サインするように言われました。とても脅迫的で、怖かったです。後見人制度から、(事前に父親に許可を取る必要があるため)私は自分で弁護士をつけることができませんでした。そのため、恐怖心から、私は承諾してツアーを行ないました」と、チームに強制される形で「ピース・オブ・ミー」と銘打ったワールドツアーを行なったことを打ち明けた。
高熱を出しながらパフォーマンスする映像が話題に
そんななかで、今回、かつてブリトニーが2018年に「ピース・オブ・ミー」ツアーの一環で米ニュージャージー州アトランティックシティにあるボーガタ・イベント・センターで公演を行なった時の映像がオンラインで話題になっている。
この映像を投稿したのは、ザッカリー・ゴードン氏というツイッターのユーザーで、ゴードン氏が「ブリトニー・スピアーズへ。あなたには謝罪しなければいけない気がします」という文章と共に投稿した映像には、「気絶しそう! 具合が悪いの。実は今、38度9分の熱があるの」とオーディエンスに訴えるブリトニーの姿が収められている。実際の発言を聞くとすぐにでもステージを止めるべき内容だが、ブリトニーの訴えは観客の歓声や一連のルーティーンの中に埋もれてしまい、パフォーマンスは続けられる。
Dear @britneyspears ….I feel like we owe you an apology. We bought into the whole hype of BRITNEY the performer, without much consideration for how Britney Jean Spears, the person, was coping through each day. Looking back now, I remember you saying this in front of me… pic.twitter.com/I80ODPKPvq
— Zachary Gordon (@ZacharyGordon95) June 22, 2021
ゴードン氏は次のように続けている。「僕らはブリトニー・ジーン・スピアーズという人が日々、対峙してきたことについて深く考えることなく、パフォーマーとして誇大化されたブリトニーを信じてしまっていたんだ」。
ブリトニーは米現地時間6月23日に行なわれた審問に先立って、米New York Timesが独自に入手した裁判文書のなかで、2019年に「40度の熱で具合が悪かった」にもかかわらず、パフォーマンスを強制されたと訴えていたことが明らかになっていた。(フロントロウ編集部)