7月2日に米軍の撤退が報告されたアフガニスタンのバグラム空軍基地には、現在も『ポケモン GO』のジムが残されており、レベルの低いハスボーなどがジムを守り続けているという。(フロントロウ編集部)

米軍がアフガニスタンのバグラム空軍基地から撤退

 アフガニスタンの首都カブール北郊にある「バグラム空軍基地」は、2001年に始まったアフガニスタン紛争以来、反政府勢力のタリバンやアルカイダに対する、米軍などの最大の作戦拠点だった。アメリカから遠く離れたその基地には、約3,000人もの米兵が駐留していた。

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 ジョー・バイデン米大統領は、アルカイダが起こした米同時多発テロから20年となる2021年9月10日までに、同施設より米軍撤退を完了させる方針を示しており、米政府は、2021年7月2日にバグラム空軍基地から米軍や北大西洋条約機構(NATO)加盟各国軍の撤収が終わったと発表した。

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 アフガニスタン内には、まだ少数の米兵が残っているというが、その人々も、9月10日までには撤退するものと見られる。

 そんな、歴史的に重要な局面を迎えるなか、バグラム空軍基地には、あるものが取り残されていることが話題となっている。

兵士が撤退した基地に取り残されたポケモンたち

 それは、バグラム空軍基地にいくつか作られていた『ポケモン GO』のジム。

 バグラム空軍基地には、サブウェイやピザハットなどの飲食店のほか、アメリカから遠く離れて生活する兵士たちを癒す施設やコミュニティがあったという。『ポケモン GO』は、そんな危険と隣り合わせの日常を送る兵士たちにとっての癒しにもなっていたそう。

画像1: 兵士が撤退した基地に取り残されたポケモンたち
画像2: 兵士が撤退した基地に取り残されたポケモンたち

 基地で働いていた兵士の1人は、米Kotakuのインタビューで、「戦地の真ん中で見知らぬ人とポケモンのような会話を始められることは、社会性を保つための素晴らしい方法だった」とも話している。

 しかし、米軍がバグラム空軍基地から撤退してしまった今、『ポケモン GO』のジムは今でもそこに取り残されたまま。米Stars and Stripesによると、普通であれば倒されてしまうような低レベルのポケモンたちがおり、2レベルの「ハスボー」は旧戦士礼拝堂を10日間、51レベルの「ココドラ」は戦死軍人の記念碑を2週間ほど守っているという。

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 バグラム空軍基地にアラスカ州兵の大尉として派遣されたジョン・サッターも、『ポケモン GO』プレイヤーの1人。彼は、いまだ安全な状況とは言えないアフガニスタンから米軍が撤退するのは心配だが、いつかは軍人としてではなく、1人のプレイヤーとしてアフガニスタンで『ポケモン GO』ができるまで情勢が改善してほしいと言う。

 「いつかはアフガニスタンのどこかで、アメリカのポケモンジムを支配したことを自慢している子供がいると思う」と話したサッター大尉は、「僕も20年後にはバイクであそこに行って、あのポケモンジムを取り戻すことができるかもしれない」と、前向きなコメントを米Stars and Stripesのインタビューで語った。(フロントロウ編集部)

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