タイカ・ワイティティの『ジョジョ・ラビット』
ニュージーランドのウェリントン出身の21歳。俳優トーマシン・マッケンジーが、多くの個性派監督からラブコールを受けている。
彼女が批評家の間で高い評価を受けたのは、2018年の映画『足跡はかき消して』でのこと。米Deadlineのインタビューで、本作への出演は自分に自信をくれたと話すトーマシンは、その後、数々のトップ俳優たちと共演するほどの躍進を見せた。
2019年には、映画『キング』、『トゥルー・ヒストリー・オブ・ザ・ケリー・ギャング』、そして『ジョジョ・ラビット』に立て続けに出演を果たしたトーマシン。
とくに、第二次世界大戦中のドイツを舞台に、アドルフ・ヒトラーをイマジナリーフレンドとして持つドイツ人の少年ジョジョが、ユダヤ人少女エルサと交流するなかで成長する姿をユーモアたっぷりに描いた『ジョジョ・ラビット』では、超個性派として知られるタイカ・ワイティティ監督のもとでエルサを演じきった。
ちなみに、ワイティティ監督もトーマシンと同じくニュージーランドのウェリントン育ち。この経験を通してトーマシンは、キャラクターを様々な方向から見られるということを学んだという。
エドガー・ライトの『Last Night in Soho』
そんな彼女の次回作は、エドガー・ライト監督によるホラー映画『Last Night in Soho(原題)』!
主人公のエロイーズが現代と1960年代を行き来するトラベルホラーであり、トーマシンが演じる現在のエロイーズは、60年代ではアニャ・テイラー=ジョイが演じるエロイーズに成り代わる。タイムトラベルを続けるなかで歪む現実は、最後にどうなってしまうのか。
ライト監督がホラーを手掛けたとして注目を集める本作。監督は最近では『ベイビー・ドライバー』の大ヒットによってスタイリッシュな映像を撮るイメージも強いが、彼が過去に手掛けた『ショーン・オブ・ザ・デッド』、『ホット・ファズ -俺たちスーパーポリスメン!-』、『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』のスリー・フレーバー・コルネット3部作の存在は忘れられないだろう。
これまた“クセ強め”とも言える監督の作品にメインキャストとして起用されたトーマシンは、本作について、「本当に、これまでに見たことのないもの。非常にユニーク」と英Empireのインタビューでコメントしている。
オリヴィア・ワイルドの『Perfect』
ニュージーランドから羽ばたき、すでにハリウッドで最も勢いのある若手俳優の1人となっているトーマシン。そんな彼女は、さらに、あの監督の次回作で主演に決定している。
映画『トロン:レガシー』やドラマ『Dr.HOUSE』などで俳優としてキャリアをスタートさせたオリヴィア・ワイルドは、2019年公開の映画『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』で監督デビューを果たし、監督としての才能で映画ファンに衝撃を与えた。
フローレンス・ピューやハリー・スタイルズが出演する『Don't Worry Darling(原題)』の撮影が終わり、次回作である『Perfect(原題)』の制作に取り掛かっているワイルド監督がその主演に選んだのが、トーマシン。
1996年のアトランタオリンピックで大活躍した体操選手ケリー・ストラグを描く本作にトーマシンを起用したことについて、監督はかなり熱いメッセージをトーマシンに送った。
「私が映画を監督しなくてはと思った理由の1つは、素晴らしい役柄を演じる天才的な女性たちと一緒に働くため。この物語は複雑で、挑戦的で、心が痛くなり、そして素晴らしい。この物語を語るうえでトーマシン以上に良いパートナーは想像できない。紳士淑女のみなさん。彼女は恐れを知らない。私は頭を下げるよ」
ここまで多くの個性派監督たちを惹きつけるトーマシン。その魅力である存在感や演技力は、ぜひ作品を見て確認して。
(フロントロウ編集部)