『スター・ウォーズ』シリーズの芯は何か
ジョージ・ルーカスが1977年に世界に送り出し、多くの人に衝撃を与えたSF映画『スター・ウォーズ』。その後、オリジナル3部作、プリクエル3部作、シークエル3部作が制作され、映画『ローグ・ワン』やドラマ『マンダロリアン』など、多数のスピンオフ作品も人気を博している。
そして、2020年末には、ハイ・リパブリック時代末期が舞台となるディズニープラスのドラマ『The Acolyte(原題)』の制作が発表された。『スター・ウォーズ』のフランチャイズ作品でありながら、ミステリースリラーと謳われ、注目を集める本作のクリエイターは、映画『バチェロレッテ あの子が結婚するなんて!』やドラマ『ロシアン・ドール: 謎のタイムループ』のレスリー・ヘッドランドが務め、様々に異色のコラボとなっている。
そんなレスリーだが、制作を進めるなかで寄せられる一部のファンからの声に、思うところがあるよう。米The A.V. Clubのインタビューで、こう語った。
「面白いものだよね。私が受けるフィードバック、私はフィードバックという言葉を非常に軽い意味で使っているけれど、SNSにあるフィードバックでは、“『スター・ウォーズ』を政治的にするな”というものがある。私は、“ジョージ・ルーカスが政治的にしたのに。シリーズは政治的な映画なのに”という感じ。戦争というものは、それ自体が政治的でしょう。
それこそがジョージが話し、見て、深掘りしたかったこと。だから彼の世界観のなかで、キャラクターたちがその時代の銀河で起こっていることを反映しない物語というのは不可能。それ(政治的であること)も、私たちがジョージから受け継いだものと言える。そして、それを作品にも反映し続けていきたい。そう願ってる」
ジョージ・ルーカスの考え
インターネットやSNSによって、最近では、それぞれの創作物が持つメッセージが伝わっていないことや、誤解されていることが可視化されている。『スター・ウォーズ』フランチャイズの制作陣もまた、そういった状況を認識しているよう。
『スター・ウォーズ』については、そのプリクエルを制作する前に、ルーカス監督はこんな思いを抱いていたことを本人が明かしている。
「みんなが見たいダース・ベイダーは黒い服に身を包み、ライトセーバーを持った姿だと分かっていた。でも作品の全てのポイントは、“私たちと変わらず良い意思を持った、この優しく良い小さな子供が、どう間違った方向へ進んでダース・ベイダーとなるのか”ということだ。そして物語の2つ目のポイントは、“どう民主主義は独裁制へと変わるのか”ということ」
このことからも、『スター・ウォーズ』シリーズには明らかに政治的メッセージが込められている。今後も『スター・ウォーズ』の世界は拡大していくと見られるが、その出発点であるジョージ・ルーカスの考えや思いは受け継がれていくだろう。
(フロントロウ編集部)