かつて陸軍兵としてアフガニスタンに2度派遣されたことがある英王室のヘンリー王子が、反政府勢力タリバンがアフガニスタンの政権を掌握したことを受けて、この困難な状況を乗り越えるために退役軍人同士で支え合うことを呼びかけた。(フロントロウ編集部)

ヘンリー王子が退役軍人にメッセージをおくる

 英国陸軍に10年間所属し、過去2回にわたってアフガニスタンに派遣されたことがあるイギリス王室のヘンリー王子が、反政府勢力タリバンがアフガニスタンの政権を掌握したことを受けて、自身が主催する負傷した兵士たちを対象にしたスポーツイベント「インビクタス・ゲーム」の公式ツイッターを通じて、退役軍人に向けて声明を発表した。

画像: ヘンリー王子が退役軍人にメッセージをおくる

 以下、ヘンリー王子の声明の全訳。

 「今、アフガニスタンで起きていることに、全世界のインビクタスコミュニティが共鳴しています。インビクタス・ゲームの参加国や競技者の多くは、過去20年間にアフガニスタンで活動したという共通の経験で結ばれており、数年前からアフガニスタンのインビクタス・ゲーム・チームと一緒に競技を行なっています。私たちは、インビクタスのネットワークに属するすべての人たち、そしてより幅広い軍のコミュニティが、互いに連絡を取り合い、支援を提供することを奨励しています」

 米軍がアフガニスタンから計画的な撤退を続けるなか、タリバンはアフガニスタンの他のいくつかの都市を制圧した後、ついに首都カブールに侵入。国外へ脱出した同国のアシュラフ・ガニ大統領が“敗北”を認めたことで、2001年に米軍主導の攻撃で政権崩壊したタリバンが再びアフガニスタンを統治することが確実となった。現在、タリバンから逃れるべく、数千人の人たちが国外に脱出しようとしており、恐怖と混乱が生じている。

 ちなみに、ヘンリー王子は、今年6月、アフガニスタンで地雷除去活動を行なっていたチャリティー団体「HALO Trust」が武装グループに襲撃され、メンバー10人が死亡するという痛ましい事件が起きた際にも声明を発表。「アフガニスタンのHALOで働く人たちは、戦争や紛争の後遺症を取り除くために、日々リスクと向き合っています。襲撃された人たちはみんな作業を行なっていた地域の出身者です。彼らは自分たちの国と家を守り、復興させるためにHALOに参加しました。命を落とした地雷除去作業員たちは、友人たちを守るためでもありました。彼らのような活動を行なっている人たちは、世界をより安全な場所にするために、毎日命をかけて働いています。この残忍な行為によって、私たちが人道支援活動家および彼らが奉仕するコミュニティと団結する必要性を強く感じています」と、無念さをにじませていた。(フロントロウ編集部)

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