『ゴシップガール』オリジナル版と新作のファッションを徹底比較！そこから見える、現代のテーマとは？

　新作では、ニューヨークで最も裕福なZ世代の生活を垣間見ることができ、彼らを飾る眩いほどの最先端ファッションも見どころ。オリジナル版と新作版には多くのスタイルの類似点があるけれど、新作では最先端のファッションに加え、様々な新世代のひねりが加えられていることにも注目してほしい。

ついに新『ゴシップガール』が日本上陸！

　オリジナル版から引き続き、コスチュームデザイナーを担当するのは、エリック・デイマン。大胆なシルエットから独創的で個性が引き立つ制服まで、圧倒されるほどの魅惑的なスタイリングは必見。U-NEXTにて2021年8月20日（金）より見放題で独占配信が開始したのに合わせ、歴史的なスタイルをファッション界に残したオリジナル版と、さらに進化する新『ゴシップガール』を比較しながら、その魅力を解説！　

Z世代を象徴する“多様性”がファッションにも反映

　2000年代のアメリカでは、ドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』やシンガーのブリトニー・スピアーズのヒットにともない、派手でグラマラスなスタイルが大流行。2007年に初放送されたオリジナル版『ゴシップガール』では、時代を反映した贅を尽くしたゴージャスな衣装に合わせ、斬新でポップなスタイリングの数々は社会現象になるほど注目された。

　新作では現代のカルチャーの変化にともない、セクシャリティやジェンダー規範に対する考え方など多様性が高まり、それが、キャラクターやファッションにも色濃く反映されている。コスチュームデザイナーのエリック・デイマンは、多様化したZ世代のスタイルをリサーチするために、SNSで人気を牽引するセレブやファッショニスタたちをチャート化して研究を重ね、リアルなルックをドラマで再現したという。

　ちなみにキャラクターのスタイルのペルソナは、モデルのヘイリー・ビーバー、カイア・ガーバー、ジジ・ハディッドらだとか！

『ゴシップガール』に欠かせない“制服コーデ”に大きな進化

　『ゴシップガール』を象徴するスタイルと言えば、制服に私物をミックした制服コーデだが、新作でもこのアイコニックなスタイリングは継承！ ただもちろん、時代に合わせた進化もしている。

　オリジナル版では、ブレア・ウォルドーフのクレヨンカラーのカラフルなタイツや煌びやかなヘッドアクセサリーなどがアイコニックなアイテムとして人気を博したが、新作では、スポーツウェアやストリートウェア、ジェンダーニュートラルなシルエットなど、社会的意識の高いメッセージを含んだスタイルを取り入れて、現代らしい制服×私服ルックを披露している。

　学園の女王的存在のジュリアン・キャロウェイが披露した、スキンヘッドにバイカーショーツを合わせたエッジの効いた型破りな制服の着こなしは、配信前よりファッション界で話題に。彼女のクールで堂々した着こなしは、どのシーンでも見逃せない！

　オリジナル版では、グリッターをちりばめたグラマラスなアイテムを制服にミックスしたスタイルや、ボディラインに沿ったタイトな着こなし、タイツとフラットシューズの合わせ方などが注目を浴びたが、新作では制服にスニーカーを合わせ、フーディやオーバーサイズのラフなシルエットのアイテムなど、着心地や動きやすさを重視した現代のストリートスタイルの流行と完全にマッチしたスタイリングに。

オリジナル版へのオマージュも散りばめられている！

　オリジナル版から新作へと時代の流れと共にファッションも変化しているものの、新作ではオリジナル版のオマージュもしっかりと散りばめられているのも見どころ！

　ブレア・ウォルドーフを象徴するヘッドバンドを新作でもゾヤ・ロットが着用するシーンや、セリーナ・ヴァンダーウッドセンとブレアが着用して話題になったゴージャスなゴールドのドレスやボウドレスが登場するシーンも！

　こういったオリジナル版へのファッションのオマージュも新作で散りばめられているため、現地アメリカでは新作を観た後にオリジナル版をもう一度観返すファンが続出し、オリジナル版も再ブームになっている！

現代のファッション界のテーマ、サステナブルファッション

　オリジナル版では、ラグジュアリーなデザイナーズブランドの新作のオンパレードも見どころのひとつで、メインキャラクターたちは、最も豪華でファッショナブルなデザイナーズのアイテムで全身を固めるのが特徴だった。

　新『ゴシップガール』もハイファッションブランドが次世代の顧客を獲得するために衣装提供したいドラマとして早くも話題沸騰中なだけあり、Louis Vuitton（ルイ・ヴィトン）からFendi（フェンディ）やBurberry（バーバリー）まで、ハイブランドからの衣装提供もたくさん。

　一方で新作らしい進化もつけており、それが、サステナビリティと新進気鋭のデザイナーたちの起用。まず、製作チームでは、今ファッション界で深刻な問題となっている大量生産・大量消費などといった環境問題も課題に挙がったという。

　Z世代では、未来の世代のために出来ることを考える動きがあり、意識の高まりが見られていることも特徴で、モデルやファッショニスタたちが率先して、ヴィンテージショップでのリサイクル品、いわゆる“古着”を購入する傾向があることなどから、コスチュームデザイナーのエリック・デイマンは、新作で初めてヴィンテージアイテムを取り入れるという試みにも取り組んだ。

　そして、デザイナーの母を持ち、トップデザイナーの新作アイテムに目がないブレア・ウォルドーフのミニミー的な存在となる新作のオードリー・ホープは、作品に欠かせない場所であるメトロポリタン美術館の階段で、サステナブルな取り組みで知られるシューズブランド、Nomasei（ノマセイ）のショートブーツを着用。

　ブーツのアッパー素材からブーツ裏のジッパーまでもがリサイクル素材で作られていて、カーボンニュートラルで持続可能な生産に取り組み、ファッション界で注目されているブランドのひとつ。アップデートされたZ世代の最旬スタイルにも注目して！

クールな女子のクローゼットを体現した衣装の数々

　オリジナル版では、Oscar de la Renta（オスカー・デ・ラ・レンタ）やMarchesa（マルケッサ）といった、トップセレブでも憧れるほどの1着100万円を超えるオートクチュールのドレスの数々が登場。

　新作でもアッパーイーストサイドの生徒たちの新たなゴージャスなルックが見られるが、今回の試みとして、ニューヨークを拠点に活動する新デザイナーへの支援を込めて、モダンでスタイリッシュなChristopher John Rogers（クリストファー・ジョン・ロジャース）らの新鋭デザイナーズアイテムを積極的に起用したという。

　ニューヨークでも有数のメガリッチな高校生を描いたオリジナル版では、キュートでリッチな“お嬢様ルック”が数多く登場したが、新作ではクロップトトップスに光沢感のあるレギンスといった、近年人気を博すストリートな“モデルルック”へと変化。

　まるでモデルのジジ・ハディッドのストリートスナップを見ているかのような旬なスタイルは、実際にニューヨークに暮らすクールな女子のクローゼットを体現したとか。

　スキャンダラスでファッショナブルな内容に合わせ、時代を反映した最先端のルックが観られる新『ゴシップガール』。エピソードを重ねるごとにブラッシュアップされていくキャストに連れ、ファッションもさらにパワーアップされていく姿にも毎回注目してほしい！

　新『ゴシップガール』は、U-NEXTにて2021年8月20日（金）より見放題で独占配信が開始されたのでチェックしてみて！