「中絶」と「望まない妊娠」を扱った、オドレイ・ディワン監督による映画『L'événement(原題/英題:Happening)』が、ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞した。(フロントロウ編集部)

オドレイ・ディワン、金獅子賞を受賞!

 フランスのオドレイ・ディワン監督による映画『L'événement』が、ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞した。

 本作は、フランスの重鎮作家アニー・エルノーによる同名小説を映画化したもので、中絶が違法とされていた1964年が舞台。重要な試験を控える大学生の女性が、その直前に望まぬ妊娠をしていることに気がつき、母体にとって死のリスクがある秘密裏の中絶手術を頼ることになる…。

 フランスでは1975年になるまで、中絶は違法とされていた。また本作では、1968年にフランスで五月革命が起こるまで、若い女性たちに向けられていた抑圧や期待も力強く描く。

画像: ヴェネチア国際映画祭に出席した主演のアナマリア・ヴァルトロメイ(左)とオドレイ・ディワン監督(右)。

ヴェネチア国際映画祭に出席した主演のアナマリア・ヴァルトロメイ(左)とオドレイ・ディワン監督(右)。

 ディワン監督は米AP通信の取材に対して、「私はこの映画を怒りとともに制作しました。そして一方で、強い願いとともに。私はこの映画を、私のお腹と、私の内臓と、私の心臓と、私の頭とともに作った。この映画は“経験”の1つになってほしい」とコメントしている。

(フロントロウ編集部)

This article is a sponsored article by
''.