2021年9月3日より公開となった映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』にイン・ナン役で出演しているミシェル・ヨーが、ジャッキー・チェンの価値観を変えた出来事を明かした。(フロントロウ編集部)

『シャン・チー/テン・リングスの伝説』のミシェル・ヨー

 映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』は、2021年9月3日より公開となったマーベル・スタジオ最新作。MCUの新時代を築く新ヒーロー「シャン・チー」の誕生を描く作品として、全世界で注目を集めている。

画像: 『シャン・チー/テン・リングスの伝説』のミシェル・ヨー

 MCUが初めてアジア系ヒーローを主人公にした本作で主演に抜擢されたのは、中国出身のカナダ人でドラマ『96時間 ザ・シリーズ』や『Kim's Convenience』などに出演した俳優のシム・リウ。また、映画『レッドクリフ』や『インファナル・アフェア』で知られるアジアの雄、トニー・レオンや、映画『オーシャンズ8』や『クレイジー・リッチ!』などのオークワフィナなど、豪華キャストも参加している。

 そんな本作でシャン・チーの伯母であるイン・ナンを演じたミシェル・ヨーが、アクションスターとして名高いジャッキー・チェンと共演した際のエピソードを語った。

ミシェル・ヨー、アクションスターとして活躍するまでの道のり

 『シャン・チー/テン・リングスの伝説』でも華麗なアクションを披露しているミシェルは、俳優として活動を始めた1980年代より『ポリス・ストーリー3』や『グリーン・デスティニー』、『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』をはじめ、数え切れないほどのアクション映画に携わってきた。映画『クレイジー・リッチ!』でもミシェルと共演したオークワフィナは、彼女を「魔法のような素晴らしいカンフーの女神」とまで評している。

画像: 映画『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』より

映画『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』より

 しかし1980年代初頭、彼女がトレーニングを行なっていた香港のジムに出入りしていたスタントマンたちは、ミシェルが“魔法のような素晴らしいカンフーの女神”だとは思っていなかった。彼らにとって彼女は、ミス・マレーシアの優勝者でしかなかったという(※)。

※ミシェルは1983年、20歳の時にミスマレーシアを受賞した。

 英Guardianのインタビューで当時の様子について語ったミシェルは、「彼らは、文字通り腕を組み、後ろに下がって『この小物はこれをしたいだって?』という感じで私を見ていた。でも私は彼らの動きについていった。私は毎日、朝8時半から日没までそのジムにいたの」と、懸命に努力を重ねたことを明かした。

 自分が映画に出演し始めた時代の香港映画はCG技術があまり普及しておらず、何をするにも自力でやらねばならなかったと語るミシェル。努力の末に、さまざまなアクション作品で活躍するようになった彼女は、1992年に公開された映画『ポリス・ストーリー3』で、香港映画の大物、ジャッキー・チェンと共演した時の出来事を明かした。

ミシェル・ヨーがジャッキー・チェンの価値観を変えた出来事

 『ポリス・ストーリー3』で共演した当時ジャッキーはミシェルに、ミシェルが見せるクレイジーなスタントをしないで欲しいと頼んだことがあったという。

画像: ミシェル・ヨーがジャッキー・チェンの価値観を変えた出来事

 「私は彼に、『あなたは私にやめろとよく言えるよね!あなたはいつもやっているじゃない』と言ったら、彼は『それは、君がやったら、僕はもっとうまくやらないといけないからだよ』と返してきた。彼はプレッシャーを感じていたみたい、かわいそうにね」

 そして、ジャッキーは“女性はアクション映画よりもキッチンにいるべき”だと考えていたというのは本当かと聞かれたミシェルは、「以前はそうだった」と証言。しかし続けて、「私が彼のお尻を蹴り上げるまではね!」と、差別や偏見に負けずに懸命に活動を続けてきた結果、あのジャッキー・チェンの価値観をも変えたことを明らかにした。

 そんな大物俳優ミシェルが出演した『シャン・チー/テン・リングスの伝説』は、2021年9月3日より全国劇場で公開中。(フロントロウ編集部)

※本記事で「ミシェルがMCU初出演」と記載しましたが、誤りであったため修正いたしました。

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