オリヴィア・ロドリゴ
2021年1月にリリースしたデビューシングル「drivers license」が全米シングルチャートで8週にわたって1位を獲得するなど、2021年に最もブレイクした新人アーティストであるオリヴィア・ロドリゴは、“女の子はこうあるべき”という古い価値観に立ち向かってきた若手女性シンガーの1人。
米GQとのインタビューで“自分の意見を言えずに、他の人の言いなりになってしまう”という悩みを抱えていることを明かしたオリヴィアは、その理由について次のように語っている。「女の子だからかな。女性たちはいつも、親切さや、思いやり、献身性が褒められるでしょ。そういう、優しさこそが一番みたいな考えは、私がこの世界で若い女性として大人になっていく上で克服したいと思っている部分なの」。
そうした価値観から抜け出したいと考えているオリヴィアは、自分の意見をしっかりと言える女の子たちの強さを知っているため、誰かから「ある人の娘さんに会ったんだけど、最悪だったよ」というような話を聞いた時には、次のように考えるようにしているという。
「『単に、すごく成功したクールな女性なんじゃないですか?』ってね。話半分に聞くようにしてるんだ」。
ビリー・アイリッシュ
2020年のグラミー賞で史上最年少で主要4部門を全制覇するなど、次世代を担うアーティストの筆頭であるビリー・アイリッシュは、「自分のすべてを知られたくないから」という理由で、デビューからしばらくは体型の分からないダボダボの服を着続け、女の子たちに押し付けられる“理想の体型”像から距離を置いてきた。
ビリーは2021年6月に英Vogueの表紙を飾った際、素肌を晒したフォトシュートが話題になったが、その際に行なったインタビューのなかで、女の子たちが肌を露出させた服を着ることで向けられる偏見に反論。誰しも好きな服を着る権利があり、肌の露出の多さでその人が判断されるべきではないとして、次のように語った。
「自分の肌を見せたいと思ったら、一気に偽善者呼ばわり。ふしだらで、尻軽だって簡単にみなされてしまう。もし私がそうだと言うなら、私は誇りに思うよ。私も他の女の子たちも、ふしだらだって言われるのなら、そんなのどうでもいい。逆に捉えて、それを力に変えてしまおう。体や肌を見せたり見せなかったりに関係なく、敬意は払われるべき」。
ゼンデイヤ
MCU版『スパイダーマン』シリーズのMJ役や、公開が控える新作映画『DUNE/デューン 砂の惑星』への出演で知られるゼンデイヤは、かつて2016年にキッズ・チョイス・アワードに出席した際、“細すぎる”という体型批判にツイッターで反論して、“どんな体型でも素晴らしい”と女の子たちにメッセージを送った。
「さあみんな、鏡で自分の美しい体を見て、それを愛してあげて。 #ふくよかな女の子たちの勝ち #スキニーな女の子たちの勝ち #私たちは全員が勝ち」
アリアナ・グランデ
女の子たちの究極の選択は、“メイクか携帯電話の使用”が使えなくなってしまうこと? シンガーのアリアナ・グランデは、2015年に米ラジオ局Power 106の番組に出演した際に、そんな女性への偏見に基づいた質問をされると、「それが、女子が選ぶのに迷う2つだとあなたたちは考えてるの? 女子はこの2つから選ばなきゃいけないって、男性たちが考えてるものがそれ?」と苦笑いで大人の対応。
“どれくらい携帯電話を使わずにいられる?”と立て続けに質問されたアリアナが、「何時間でも。(中略)夜ごはんを食べてる時は、そこにいて、話して、目を見ていたいからね」と対応すると、男性の司会者は「女性たち!(アリアナから)学んで!聞いて、学んで、女性たち!」と“女性”視聴者に向けてコメント。
ご飯中にスマホをいじってしまうのは男性でもあることなのだが、司会から“女の子たちの問題”だとすり替えられてしまったアリアナは、「男子たち! 学んで! もう勘弁してよ…。男子も女性も、みんな学べる」とすかさず反論。引っ込むことなくキッパリと男性たちに反論してみせたアリアナの行動は高く評価された。
シャーリーズ・セロン
女の子に対する偏見を向けられた時に、彼女たちのように反論することは、勇気が要ることかもしれない。けれど、女の子たちが男性たちと同等に扱われるのは当然の権利であり、それを求めることは決して悪いことじゃない。最後に、映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』や『ワイルド・スピード』シリーズで知られるシャーリーズ・セロンが、英Elleのインタビューで女の子たちに送ったメッセージを紹介する。
「女の子たちに知ってほしいのは、フェミニストであるのは良いことだということ。それは、男性が憎いという意味じゃない。平等の権利を(求めることを)意味するの。もしあなたが(男性と)同じ仕事をしているのであれば、同じように補償され、扱われなければいけないんだよ」
“女の子だから家のお手伝いをしなさい”、“女の子だからギャーギャー意見を言わないの”などと、のちに社会における男女差を作るような差は女の子である時から始まっている。そうした現状を改善していくためには、1人1人が問題を理解して、行動していくことが大切。国際NGOプラン・インターナショナルが作った10月11日の国際ガールズ・デーなどをきっかけにして、今、世界中の女の子たちが置かれている環境を改めて知っておく必要がある。(フロントロウ編集部)