ほかの乗客は事件に気づきながら“見て見ぬふり”
先日、フィラデルフィア市内を中心に走る南東ペンシルベニア交通局(以下SEPTA)の電車内でレイプ事件が発生した。
米The New York TimesにSEPTAの担当者が語った話によると、犯人の男は被害者の女性の隣の席に座ると彼女の体を触り、服を引き裂こうとしたという。犯行は約8分間にわたって続き、交通局の職員が、入線してきた電車に乗っていた女性の様子が「何かおかしい」と警察に通報したことでようやく事件が発覚。犯人は駆けつけた警察官によって身柄を確保され、被害者は地域の病院に搬送された。
走行中の電車内で女性が襲われたというだけでもショッキングだが、さらにショッキングな事実が明らかになった。現在、犯行の瞬間をとらえた防犯カメラの映像を警察が確認しているところだというが、事件発生時、車内には犯人と被害者以外にも複数の乗客がいたとSEPTAの担当者は明かす。つまり、ほかの乗客は事件に気づきながら“見て見ぬふり”をしていたということ。
それほどの大人数ではなかったものの、担当者いわく、「力を合わせて何か行動を起こすのには十分な人数がいた」そうで、「この恐ろしい行為を目撃した人がほかにもいた。もし乗客の誰かが通報していれば、もっと早く止められたかもしれない」、「女性を助けるために何もしなかった人たちに愕然としている。あの電車に乗っていた人たちは、なぜ介入しなかったのか、なぜ何もしなかったのか、自分自身を見つめ直す必要があるだろう」とThe New York Timesに語った。(フロントロウ編集部)
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