DCコミックス原作ドラマ『バットウーマン』に出演するも急遽降板したことでさまざまなウワサが飛び交っていたルビー・ローズが、制作陣に対する長文の告発をSNSに投稿。撮影現場で起きた驚愕の出来事にファンの間で動揺が広がる一方、ワーナー・ブラザース側は異なるストーリーを話している。(フロントロウ編集部)

ドラマ『バットウーマン』から突然降板したルビー・ローズ

 バットマン無きゴッサムシティにはびこる悪と対峙するために暗躍するバットウーマンの物語を描くDCコミックス原作のドラマ『BATWOMAN/バットウーマン』のシーズン1でドラマ初主演を務めたルビー・ローズは、映画『トリプルX:再起動』や『ジョン・ウィック:チャプター2』などで知られる俳優。

画像: BATWOMAN TM & © DC. © 2020 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

BATWOMAN TM & © DC. © 2020 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

 DCコミックスとしては初めてのLGBTQ+ヒーローであるバットウーマンことケイト・ケインを主人公とした同作は大きな反響を呼び、アクションを得意とするルビーのクールで迫力満点の演技や、同性とのロマンスなどでも注目を浴びた。

 しかし、ルビーはシーズン2の制作も決定していた2020年5月、突然降板を発表。物語はまだ始まりを迎えたばかりであったため、多くのファンに激震が走った。

 ルビーはその後米トーク番組『ザ・トゥナイト・ショー』で降板の理由を新型コロナの影響や怪我のためであると説明していたものの、あまりにも突然すぎるその別れは、観客に大きなしこりを残していた。

 そんななか、ルビーがついに降板の真実を告白。

セクハラ、パワハラ、モラハラ、危険行為を強要

 ルビーは自身のインスタグラムのストーリーズにて、長文のメッセージを公開。そこには、米テレビ局CWに宛てた驚愕の出来事が記されていた。

 「もう十分です。あのセットで本当に起こったことを全世界に伝えます」と始めたルビーは、「私は、私に起こったことが二度と他の人に起こらないようにするためにも、あなたたちと対峙します。最終的に自分の人生と真実を取り戻せるように。恥を知れ」とコメント。

 そして彼女は、撮影中に負った怪我による手術のビデオや写真を公開し、ワーナー・ブラザース・テレビジョンの元幹部ピーター・ロスが探偵を雇って彼女を追跡していたことを告発。

 「ピーター・ロス、あなたが最初。あなたは第一章。あなたが最高位に昇進した後、パンツを履いたまま股間あたりを若い女性にアイロンさせるのをやめられなくて去ったのか、それとも私立探偵を私にあてがって、報告書があなたのシナリオに合わないとすぐに解雇した後に去ったのかはわからない」

 そう批判したルビーは、怪我による手術の約10日後には撮影現場に復帰しろと脅されていたことも告白。ルビーは本作の撮影中に、今すぐ手術しなければ一生麻痺が残るほどの大怪我を負っていた。彼女は、自分の怪我の証拠映像は「1時間のドキュメンタリー」を作れるほど持っているとコメント。

画像1: セクハラ、パワハラ、モラハラ、危険行為を強要

 そしてルビーはファンに対し、バットウーマンに戻ってくれと頼むのを止めてほしいとコメント。

 「どんなにお金があっても、頭に銃を突きつけられても、私は戻らない。そして、辞めたわけでもない。彼らは(別のキャストを登用しシーズン2で)ケイト・ケインを再結成し、(私の)バットウーマンを破壊したけど、私がそうしたわけじゃない」

 「私は命令に従っただけで、もしここに留まりたいのであれば、自分の権利を放棄しなければならなかった。どんな脅しにも、いじめにも、脅迫にも私は屈しない」

 またルビーは、ショーランナーのキャロライン・ドライスがコロナ禍のパンデミックが起き始めていた時の対応も批判。「キャロラン・ドライスは人情がない。パンデミック下でもシーズンを撮り終えるよう求めてきて、私はそれは良い案ではないと言った。みんな気持ちがここにないって。コロナの最新情報や家族の安否を逐一チェックしていたんだから」。

 ドラマ『リバーデイル』や『スーパーガール』を含むさまざまな作品の撮影がストップしたときにも、『バットウーマン』のチームは撮影をやめず、感染対策も十分ではなかったため、結局クルーのうち2人は入院するほど悪化してしまったと明かした。

画像2: セクハラ、パワハラ、モラハラ、危険行為を強要

 そして、キャストの一人で映画『エバー・アフター』や『ミッション:インポッシブル2』でも知られるダグレイ・スコットは、「女性のスタント・ダブルを傷つけ、女性に対して怒鳴り散らし、悪夢のような存在だった」とも語っている。

 「彼は好きな時に(現場から)帰って、好きな時に到着し、女性を罵り、私は番組の主役として、(幹部に)怒鳴らない方針を求めるメールを出したが、彼らは断った」

ワーナー・ブラザースは、異なる見解を主張

画像: ダグレイ・スコット(左)、ピーター・ロス(右)

ダグレイ・スコット(左)、ピーター・ロス(右)

 ワーナー・ブラザースは、水曜日に米TVLineを通じて声明を発表し、「ルビー・ローズが、プロデューサー、キャスト、スタッフ、ネットワーク、スタジオに対してネット上で歴史の改変を行なっていますが、真実は、ワーナー・ブラザース・テレビジョンが、職場での(彼女の)行動に関する複数の苦情に基づいて、『バットウーマン』のシーズン2にルビーを起用しないことを決定したということです」と、態度に問題があったのはルビーの方だと主張。

 またダグレイ・スコットは、この疑惑に対して、米Usに声明を出し、「ワーナー・ブラザース・テレビジョンが述べているように、職場での(彼女の)振る舞いに関する複数の苦情に基づいて、『バットウーマン』のシーズン2にルビーを起用しないことを決定しました。私は、彼女が私に対して行なった名誉毀損や損害賠償請求に絶対的かつ完全に反論します。それらは全くの作り話であり、起こったことはありません」と告発を完全否定。

 ルビーの長文に渡る衝撃告白、そしてワーナー・ブラザースとダグレイの強い否定。果たしてこの問題はどちらが真実なのだろうか。今後の動向に注目したい。(フロントロウ編集部)

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