ルビー・ローズの『バットウーマン』電撃降板
モデル、DJとマルチに活躍し、役者へと転身を遂げたルビー・ローズは、バットマン無きゴッサムシティにはびこる悪と対峙するため、新たに誕生したヒーロー、バットウーマンの物語を描くDCTVシリーズ『BATWOMAN/バットウーマン』(以下『バットウーマン』)のシーズン1でドラマ初主演。
2019年10月にアメリカでスタートし、DCコミックスとしては初めてのLGBTQ+ヒーローである、バットウーマンことケイト・ケインを主人公とした同作は、大きな反響を呼び、アクションを得意とするルビーのクールで迫力満点の演技や、女性同士の切ないロマンスなども注目を浴びた。
しかし、シーズン2の制作も決定していた2020年5月、主役であるルビーが突然降板を発表。
世間に衝撃が走るなか、ルビーは『バットウーマン』に別れを告げ、制作スタッフや共演者、ファンたちへのお礼を伝えるための1本の動画を公開。そこに添えたコメントの中で、「これは簡単な決断じゃなかったけれど、知っている人は知っている…」と降板の理由について意味深な発言をしていた。
さらにルビーは、その後、8月ごろ、『バットウーマン』のスタント撮影中に発症した椎間板ヘルニアも降板を決めた理由の1つだと、米E!にコメントした。
コロナ禍で熟考した結果 「正しい決断だった」
ルビーの降板を受け、『MACGYVER/マクガイバー』や『ゴッド・フレンディッド・ミー(原題:God Friended Me)』といったドラマを中心に活躍してきた黒人俳優のジャヴィシア・レスリーが、シリーズに新たに登場するライアン・ワイルダーとして、バットウーマンのバトンを引き継ぐことが決定。
10月に入り、新型コロナウイルスの影響を受けて足止めを食らっていたシーズン2の撮影が、ついに始動することが発表されるなか、ルビーが、降板を決意した詳しい理由について口を開いた。
米トーク番組『ザ・トゥナイト・ショー』にリモート出演したルビーは、「抜擢されたときは、あんなに喜んでいたのに、どうしたの?1シーズンだけでドラマを去るなんて、一体何があったの?」と、司会者のジミー・ファロンから直球の質問をぶつけられると、こう回答。
「突然ショーを去ったってわけじゃないよ。私たちは、すごく複雑な状況に立たされていたんだ。新型コロナウイルスの影響で、シーズンをすべて撮り終えるより前(※)の、早い段階でシャットダウンを余儀なくされたからね」。
※シーズン1は全22話のエピソードを予定して米バンクーバーで撮影が20話まで進められていたが、新型コロナウイルス流行の影響により、それ以上の撮影が困難に。20話までの短縮放送で終了した。
撮影が休止となり、すぐにロックダウンが始まるなか、ルビーは人生におけるさまざまなことについて考えを巡らせたそう。制作元であるワーナー・ブラザースや制作総指揮のグレッグ・バーランティと相談し、『バットウーマン』という作品の今後の方向性についても腹を割って話し合った結果、「ケイト・ケインと彼女の物語は、最初にやろうとしていた事はもうやり終えた、という結論で合意した」のだという。
ルビーは、「私はすごく楽しませてもらったし、別の誰かにマントを引き継ぐことは作品にとっても正しい決断だったと心から感じてる。シーズン2では、バットウーマンに関する反復もたくさんあるし、私も誇りに思ってる。待ちきれないよ」と、ジャヴィシアが主役を継承する新シーズンに期待を寄せているとも話した。
バットウーマンのシーズン2は、ルビーが演じたケイト・ケイン不在の謎も物語の軸の1つになっているといい、ルビーの電撃降板劇を逆手に取った、面白い展開が用意されているよう。ジャヴィシアが主演を務める『バットウーマン』のシーズン2は、2021年1月に全米放送が予定されている
シーズン2の撮影再開に合わせて公開されたジャヴィシア版バットウーマンのファーストルック。
日本では、8月にシーズン1のVol.1~Vol.5が初上陸して、初週レンタルランキングのトップ5を独占するという人気ぶりの『バットウーマン』。
10月14日には、Vol.6~Vol.10のDVDレンタル&デジタル配信が開始するほか、ブルーレイ コンプリート・ボックスも発売されるので、まずは、ルビーが愛情を込めて“やりきった”、バットウーマンの物語をどっぷり堪能して!(フロントロウ編集部)