トラヴィス・スコットが「アストロワールド」の参加者に返金へ
米現地時間11月5日にテキサス州ヒューストンで開催した音楽フェス「アストロワールド」で、トラヴィスのパフォーマンス中に観客が殺到し、8人が亡くなる悲劇が起きたことを受けて、主催したラッパーのトラヴィス・スコットがチケットの代金を参加者全員に返金することを発表した。米Varietyが報じた。
11月5日と6日にヒューストンのNRGパークで開催される予定だったアストロワールドは、バッド・バニーやシザ、テーム・インパラ、21サヴェージ、リル・ベイビー、ロディ・リッチ、ヤング・サグ、チーフ・キーフ、アース・ウインド&ファイアら豪華アーティストが出演することもあり、チケットが発売されるや否や即完売。初日となった5日の会場には、およそ5万人の観客が駆けつけたとされている。
2018年から開催されてきたアストロワールドは、新型コロナウイルス感染拡大による2020年の中止を経て、今年2年ぶりに開催されており、チケットの値段は前回の2019年の時から値上がりして、2日間の通しで参加できるチケットは、最も安いもので手数料を含めて365ドル(約4万円)となっていた。
フェスティバルは5日の惨劇を受け、6日の開催は中止に。また、出演したロディ・リッチは今回のギャラを受け取らず、亡くなった人々の遺族に寄付することを表明した。
トラヴィス・スコットは直近のフェスティバル出演も辞退
トラヴィスは、現地時間11月13日に米ネバダ州ラスベガスで開催されるフェスティバル「ラスベガス・フェスティバル・グラウンズ」に出演する予定だったものの、出演を辞退することも併せて発表した。
アストロワールドの惨劇は、トラヴィスのパフォーマンス中に起きており、会場の異変に気がついたトラヴィスが何度かパフォーマンスを中断する場面もあったものの、パフォーマンスを中止することはせず、続行していた。トラヴィスには、もっと早い段階で中断できたはずだとして批判の声も寄せられたが、一方で、トラヴィスは惨劇を受けて発表した声明で、自身の側からは事態の深刻さは見えていなかったとした。
「もし自分が起きていることに気づけていれば、ショウを中断して、必要としている支援をしていました。事態の深刻さに気づくことができていませんでした」とトラヴィスはインスタグラムストーリーズに投稿した動画でコメントしている。「正直、僕はとても打ちのめされています。このようなことが起きてしまうなんて、想像もしていませんでした。今、起きていることに関して、僕はあらゆることを皆さんにお伝えし、情報を共有していくつもりです」。
アストロワールドで起き惨劇については、会場で警備にあたっていた警備員が、パニックになった観客たちを抑えようとした際、注射針のようなもので射されて薬物と見られる何かを注入され、意識を失って病院に搬送されていたことも明らかに。警察は今回の騒動の発端や死因が薬物の投与だった可能性もあるとみて、殺人事件も視野に捜査している。(フロントロウ編集部)