『ザ・ボーイズ』シーズン3で描かれること
Amazonプライム・ビデオの大ヒットシリーズである『ザ・ボーイズ』は、2021年9月に撮影が終了。現在はポストプロダクションに入っている。
シーズン3からは、ドラマ『スーパーナチュラル』のジェンセン・アクレスや、『ウォーキング・デッド』のローリー・ホールデン、映画『処刑人』のショーン・パトリック・フラナリーが加わることが分かっており、新たなキャラクターたちがどのような展開を引き起こすかにも注目。
そんなシーズン3について、ショーランナーのエリック・クリプキは米TV Guide Magazineで、「このシーズンは、いつもどおり、私たちの世界に起こっていることについて。キャラクターたちをさらに深く掘り下げる方法を見つけたし、すべてのキャラクターをその限界まで押しているよ」と説明。
そして、シーズン3はある1つの大きなテーマを取り扱うという。それは…?
「有害な男らしさについての瞑想」
『ザ・ボーイズ』は有害な男らしさにどう取り組むのか
「有害な男らしさ/Toxic Masculinity(トキシック・マスキュリニティ)」とは、ここ数年で取り上げられることが多くなった言葉で、例えば、弱さを見せてはいけない、強くいなければいけないといった、社会が男性に対して押しつけている“男らしさ”のこと。それらは、男性のメンタルヘルスに悪影響を及ぼすことに加え、男性から女性への憎悪犯罪を引き起こすといった問題も指摘されている。
そのことからも分かるとおり、エリックが話したように、有害な男らしさは“世界に起こっていること”だと言える。
『ザ・ボーイズ』には男性のキャラクターも多く、“有害な男らしさ”と聞けば、ホームランダーの姿は真っ先に思い浮かぶ人は多いはず。一方で、セブンでなくザ・ボーイズのメンバーであっても、例えばブッチャーやフレンチーも、彼らなりの有害な男らしさは抱えているだろう。
今回、エリックは、シーズン3の説明のなかで、「有害な男らしさ」とだけ言うのではなく、「有害な男らしさの“瞑想”」だと話した。彼がわざわざ「瞑想(meditation)」だと話した理由は、何なのだろうか。
エリックは『ザ・ボーイズ』の制作において、キミコを表現するなかでアジア系女性へのステレオタイプを描きたくないという強い意思を持っていたり、クイーン・メイヴを描くなかで資本主義への批判を展開したりしてきた。
『ザ・ボーイズ』という作品自体が、正義のヒーローたちが腐敗しているという、そのコンセプトに社会批判の視点を持つと言えるが、そのなかでも細かく社会問題を取り上げ、まとめているのは、エリックや制作陣の努力と才能によるものだと言えるだろう。
『ザ・ボーイズ』シーズン3では、どのように物語が進み、そのなかでキャラクターたちは、それぞれどのように描かれるのだろうか。
(フロントロウ編集部)