「PTA」という略称で知られるポール・トーマス・アンダーソン監督。彼が最新作の『リコリス・ピザ』で、あるユニークな役柄にレオナルド・ディカプリオの父親を抜擢したときの意外なエピソードを明かした。(フロントロウ編集部)

ポール・トーマス・アンダーソン監督の最新作『リコリス・ピザ』

 ポール・トーマス・アンダーソン監督は、ホアキン・フェニックス主演の映画『ザ・マスター』や『インヒアレント・ヴァイス』をはじめ数々の作品で知られ、カンヌ、ベルリン、ヴェネツィアといった「世界三大映画祭」全てで監督賞を受賞している人物。名前の頭文字をとった、「PTA」という略称でも知られている。

 そんな彼の新作映画『リコリス・ピザ』は、高校生の男子が年上の女性に恋をするという甘酸っぱく危険な恋物語。

 映画『ザ・マスター』に出演した故フィリップ・シーモア・ホフマンの息子クーパー・ホフマンと、姉妹で活動しているバンド「Haim」のアラナ・ハイム演じるアラナ・ケインが主演を務め、ショーン・ペンやブラッドリー・クーパー、ジョン・C・ライリー、マーヤ・ルドルフといった俳優たちが脇を固める。

 本作は米辛口批評サイトRottenTomatoesで高い評価を得ており、批評家スコアは91%、観客スコアは95%。次のアカデミー賞も期待できると言われている。

 そんな本作には、あるユニークな役柄で、レオナルド・ディカプリオの父親であるジョージ・ディカプリオが出演している。

レオナルド・ディカプリオ父が『リコリス・ピザ』に出演した理由

 そのユニークな役柄というのは、「ウォーターベッドを販売していたカツラ屋」。米The New York Timesのジャーナリストであるカイル・ブキャナンは、監督とのインタビューで記事に入れられなかった部分を自身のTwitterに掲載した。

画像: ジョージ・ディカプリオ

ジョージ・ディカプリオ

 映画を制作する際、アンダーソン監督は「ウォーターベッドを販売していたカツラ屋」のイメージイラストを作成したという。しかし、そのイメージに合う俳優が全くピンと来なかった。

 「だれか似た人がいないかな?」と考えていたところ、突然頭の中にレオナルドの父親、ジョージの姿が浮かんできて、「レオの父親がまさにこれにそっくりだ!」ということに気が付いたという。

 監督はすぐさまジョージを探し出して、映画に出てみないかと打診。するとジョージは「いいよ」と快諾したという。彼にシナリオを説明し、「ウォーターベッドを販売していたカツラ屋」であることを伝えると、なんとジョージは「いいね。私がウォーターベッドの会社を持っていたことをレオから聞いたの?フォギー・ボトムっていうんだ」と言ったそう。

画像: ポール・トーマス・アンダーソン監督

ポール・トーマス・アンダーソン監督

 もちろんそんなことは知らなかったアンダーソン監督は驚き。すぐさま「なんてこった、あなたはこの仕事にふさわしい」と返したという。

 映画『リコリス・ピザ』は現在アメリカの劇場で公開中。日本での公開は未定。(フロントロウ編集部)

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