更年期は肌トラブルも多い
女性ならではの体の悩みや問題を解消する「フェムテック」が国内外で注目のキーワードとなるなか、ここ最近海外で盛り上がっているのが、更年期のライフスタイルをサポートする「メノテック」。
メノテックとは、更年期ならではの悩みに寄り添う製品やサービスのこと。更年期には、女性ホルモンの1つであるエストロゲンの分泌量が急激に減少してバランスが乱れる影響で、人によって異なるさまざまな不調が起こるけれど、そんな更年期の悩みをサポートしようという流れが加速している。
そんななか海外でトレンド入りしているのが、更年期の肌悩みに特化したスキンケア。ホルモンバランスが乱れるなど体の急激な変化が続く更年期には、肌のトラブルも起こりやすいことに着目し、海外では更年期向けのスキンケア製品が増加。更年期のスキンケア製品だけを専門に取り扱うブランドも続々と登場するなど、今スキンケア業界で大注目のカテゴリーとなっている。
そこで気になるのが、具体的にどんな肌トラブルが起こり、どうケアしたらいいのかということ。海外の皮膚科医が、更年期に起こりやすい肌トラブルとそのケア法を解説した。
極度の乾燥
更年期の肌トラブルで多いのが、乾燥による肌のかゆみやカサつき。皮膚科医のソフィー・ショッター医師は、「更年期には皮脂の分泌量が著しく減少することで、バリア機能が低下して水分が蒸発しやすくなるため、それまでよりもはるかに乾燥しやすくなる」と米Get the glossで説明し、更年期の乾燥の悩みにオススメのケアを紹介。
ショッター医師のオススメのケアは、セラミドとヒアルロン酸を使ったスキンケア。ショッター医師は、「セラミドは肌のバリア機能を維持して、ヒアルロン酸は肌のうるおいをキープする手助けをしてくれるから、この両方を取り入れてみるといい」とアドバイスした。
ハリと弾力の低下
更年期には、肌のハリや弾力も低下しやすくなると言われている。その理由について皮膚科医のハイジ・ウォルドーフ医師は、「エストロゲンが低下すると、それぞれが持つコラーゲンの量も低下する。更年期の最初の5年間では、コラーゲンが最大30%も減少する可能性があるため、たるみなどが起こりやすくなる」と米Well+goodで解説した。
そんなトラブルには、コラーゲンの生成を促すレチノールを使ったスキンケアがオススメだそう。ちなみにショッター医師は、レチノールが肌に合わない場合は、バクチオールが入った製品で代用するようアドバイスしている。
小ジワやシワ
コラーゲンの量が減少する更年期は、小ジワやシワもできやすい時期。ウォルドーフ医師は、「更年期に入ってコラーゲンが減ると皮膚が薄く緩くなるため、急激にシワができやすくなる」と話し、その対策としてペプチドを配合したスキンケアをオススメ。
ウォルドーフ医師によると、ペプチドには皮膚の組織に細胞を活性化させるよう命令を送る働きがあり、この働きによってコラーゲンの生成を促す効果が期待できるという。ちなみにペプチドは、近年では“塗るボトックス”と言われるほどのエイジングケア※成分として注目を集めている。
※年齢に応じたケアのこと
ニキビ
更年期とは一見無縁そうなニキビも、じつは更年期に起こりやすい肌トラブルのひとつ。ショッター医師は、「ホルモンのバランスが大幅に乱れる更年期は、そのホルモンバランスの乱れによってニキビができやすくなる」と説明。これまでニキビができにくかった人でも、急激にできやすくなることもあるという。
そんな更年期のニキビの悩みには、サリチル酸を使ったスキンケアを取り入れるようアドバイス。また何度も繰り返す場合は、皮膚科などで相談してみることもオススメだそう。
プロが教える更年期に起こりやすい肌トラブルとオススメのケア。今まで知らなかったという人は、ぜひ覚えておいて。(フロントロウ編集部)